22) 旅の終わり ~青い朝焼け~
22) 旅の終わり ~青い朝焼け~ Blue Sunrise
一週間はあっという間に過ぎた。
アンコール・ワットかチェンマイへ行くつもりだったのだが、結局バンコク周辺を回り、定食屋さん宅と、プラクルアン職人の CH 氏、AL 氏宅とでもてなしを受けて、現地の方との交流を深めることになった。
帰国の日は、朝 5時に起きて CH 氏と夫人達に別れを告げ、初めて見る青い朝焼けの中を、AL 氏に空港まで見送って頂いた。
青い朝焼けに、ここは大気層の厚み又は浮遊粒子径が違うのかもしれないと思う。
[青い朝焼け] (2008)
「自分達は、ずっとあなたのファミリーなのだから、いつまでもここで一緒にいたよ」
AL 氏の言葉は、意識してか時制が曖昧で、時と場所を超えた表現に聞こえる。
スワンナプーム空港で AL 氏と別れた後で、私は一つ聞き忘れたことを思い出した。
「ここの朝焼けは、いつも青いのですか?」
[Seasons/T-Bone] (2008)
バッグから、マーブンコーンで買った T-Bone の CDを取り出す。
アルバム・ジャケットを改めて見て、これは朝日を描いたものだと理解する。
私は、何故この CD を持っているのだろう?
私は、何故カンチャナブリーからのバスで、T-Bone の曲を気に入ったのだろう?
…
この時、私はこれまでの長い長い出来事のつながりを理解することが出来た。
来年はチェンマイへ行くことにしよう。
-完-
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