地役権 | “事業と暮らしの法務サポーター” @行政書士ryu

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アパレル業界出身の脱サラ異色? 行政書士高村龍介が、埼玉のほぼ真ん中桶川市から不定期に発信している公式?! ブログです。

相続・離婚・許認可申請などの行政書士業務や、行政書士の私生活の1コマなどを、思いついたときに思いつくままに深く浅くご紹介していきます。

行政書士試験は、民法が出題科目(最近はウェートが高くなってます)となってますので、「地役権」が初耳という行政書士は少ないと思います。

ただ、私もそうですが、業務の中で登場してくることはあまり多くないように思います。

「地役権」は、民法の物権のひとつで、契約で定めた目的に従い、他人の土地(承役地)を自分の土地(要役地)の便益のために使う権利ということになります。(どっちが承役地で、どっちが要役地かすぐ忘れたものです 汗・・)

通常、他人の土地を使う場合は、賃貸借契約を結び、賃料を支払って使用します。この場合、貸す側は、その自己の土地を利用できなくなりますが、「地役権」を設定した場合の地役権者の利用権は、契約目的達成のための必要最小限度に限られ、承役地の所有者も一定の制限はあるものの継続して利用することができます。

どういうケースがあるかといいますと、通路を通行する権利、溝を掘って水を引く権利、眺望を確保する権利などがあります。

たとえば、他人の所有する通路の奥に自宅がある場合、「地役権」を設定することで、よりそこを通行する権利が保証されるというイメージでしょうか(袋地の場合、最低限の通行は保証されていることになってますが)。

また、民法をかじった方なら聞いたことのある、附従性・随伴性・不可分性(受験生のころを思い出すなあ・・)などの性質も頭に入れる必要がありそうです。

でも実務でのポイントは、この「地役権」を使って権利設定を行った場合のメリットとデメリットを、現状の権利関係や法的な制限を洗い出し、契約者双方によく理解してもらうことです。

当然、承役地の所有者は一定の利用制限が課せられことになりますし、地役権者となる側にも、承役地の所有者からの土地の所有権の譲渡要請を拒めないなどの制約があります。

そのあたりを踏まえた上でさらに制度を検証し、代替策と比較しつつ、ご相談者様に最善の方法を提案できればと思います。

“事業と暮らしの法務サポーター ”
行政書士 高村 龍介