当院で新しく採用致しました「テロメア検査」について、ご紹介させていただきます。
「テロメア」という言葉を聞いたことがありますか?
「テロメア」は、すべての細胞がもつ染色体の末端にある構造。
染色体は、遺伝情報が書き込まれている地図のようなもの。
その末端にあって、地図を保護している部分といえます。
細胞は、繰り返し細胞分裂することで 常に古い細胞が新しい細胞に置き換えられ、
身体の組織を維持しています。
「テロメア」は、細胞分裂するたびに短くなっていく構造で、
テロメアが最短になると細胞分裂が止まり、細胞が機能不全になっていきます。
つまり、テロメアが短いほど、細胞分裂した=老化した ということで、
遺伝子年齢の指標と言われています。
テロメアが短くなることは、数多くの疾患との関係が報告されており、
年齢を重ねると増加する疾患が多いようです。
・慢性心不全
・心筋梗塞
・二型糖尿病
・冠動脈疾患
・骨粗鬆症 など
「テロメア」のさらに末端には、「Gテール」と呼ばれる、二重らせん構造の端に
尻尾のように伸びている一本鎖があり、さらにその一本鎖の存在によって、
下記の図のようにループを作ることで遺伝子情報を保護しています。
この「Gテール」は、染色体を不安定にするようなダメージやストレスにより短縮するため、
短期的なダメージの指標となります。
逆に、生活スタイルを変えることで、長さが変動する部分でもあるのです。
テロメアの短縮が確認されている疾患では、Gテールも短縮しているという報告も
出てきていますので、Gテールの短縮を防ぐ生活スタイルを探していくことが、
テロメアの保護につながる可能性があると考えられます。
まだ、Gテールは新しい指標であり、今後の研究が期待される分野です。
テロメア、Gテールが短い = 遺伝子年齢が高い?! ということで留まらず、
疾病へのリスクをとらえる新しい指標としてとらえ、大きな病気を発症する前にリスクを知り、
自分の体調や生活スタイルを見直すきっかけとして考えてくことが大切です。
「治す」ではなく「防ぐ」医療へ。
最先端の新しい検査をぜひ受けてみてください。
