ダラスカップ GS第3戦 | 森岡隆三 オフィシャルブログ 「Ryuzo MORIOKA」 Powered by Ameba

ダラスカップ GS第3戦

2016/03/23 GS第3戦

vs Tigres(メキシコ)

3-3 △︎ (2-2 1-1)



 3試合目の相手はメキシコのTigres。彼らの前の試合(vs Real Salt Lake)を見た印象は上手い!の一言。初戦はエバートンに1-0、で勝ったものの、Salt Lake との2試合目、圧倒的にゲームを支配しながらもうちと同じように一発に泣いたことで、彼らはサンガとの試合で勝ち点3は絶対であり、それも少しでも得点を奪って勝つことが求められるという状況に。
 ということで、うちとしては幸いなことにTigresという素晴らしチームを相手に最後まで正真正銘の真剣勝負を味わえるという最高のラストゲームとなった。
 選手たちには、3試合目もこういう素晴らしいチームが本気で戦いにくる、というこの状況を楽しもう!そのためには出し惜しみすることなく、全てを出し尽くそう!と話して試合に臨んだ。



 サンガの4-3-3に対し、Tigresは4-4-2。Tigresの選手たちは本当にどのポジションの選手もボールを持つことを全く怖れない。これはTigresだけでなく、モンテレイの選手もそうだったので、基本的にメキシコのサッカーがそうなのだろう。うちが前線から積極的にプレスをかけようとしても、DFラインの選手でも慌てることなくボールを運ぶことで、やはりいつも以上にハードワークが要求されるゲームとなった。



 序盤、相手のボールをなかなかいい形で奪うことは出来なかったものの、全体として粘り強く対応すると、徐々にボールも持てて攻撃に転じるように。しかし個のボールキープ力の高さから徐々に押し込まれ、粘り強い対応はしてたものの、クロスボールが風の影響で難しい弾道になり、混戦からオウンゴール。



 それまではTigresもこのゲームに対してややナーバスになっていたのか、このゴールを決めた後はよりアグレッシブになりサンガゴールに迫ってくると、その圧力に押されたのか、コーナーキックをとられるとそこから2失点目を喫してしまう。



 ベンチから声を張り上げながらも、正直この流れは一体どうなってしまうのか?と一瞬不安になったが、選手たちはこの遠征を通して“タフ”になったことを見せてくれた。

 

 相手がより圧力を増したプレスをかけてきたにも関わらず、怖れずボールを動かし、運び、上手くサイドを盗ると、最後はこの大会初先発の左SBの中田が押し込み1点差。

 

 このゴールが選手たちにより自信を与えたのか、Tigresの激しいアプローチに臆することなくよりボールを受け、テンポが上がり自信を持ってボールを運べるようになると、前半終了間際、いい仕掛けからペナルティエリア中央付近でFKをGET。



 ベンチでは誰が蹴る?と予想をしていたところ、相手が壁にかなりの人数を割いていたところのミスマッチを逃さず突いて、見事に相手の裏を突いたGOALが決まり同点でハーフタイムへ



 ハーフタイムの指示は、相手中盤のボールキープ力に対抗すべく、前半途中からシステムを4-2-3-1としたので、そのポジション修正の補足を軽く話したのと、後はここまでの手応えは十分!改めて自分たちのサッカーは通用する!自分たちの力を見せてやろう!と話をして後半に。



 後半、相手は得点を奪うべく、より圧力を増してきたが、サンガの選手も負けじと堂々たる闘いぶりを見せてくれた。


 
 後半中盤、サイドにボールを運び、上手くワンツーで抜け出しBOX内に入ると、相手ファールを誘いPKを獲得。これをPK獲得の三田尻がきっちり決めて3-2と勝ち越しに成功!



 流れも良く、この調子で追加点を、と思いきや相手もさすがに甘くなく、中盤でボールをロストしたところから一気にDFラインの背後をつかれ失点、3-3に。



 その後、相手の猛攻に押し込まれる時間が続くも、選手全員がまさに身体を張ったDFで追加点を許さず3-3で試合終了。




 勝ち点3は獲れなかったが、このTigresを相手に得た勝ち点1は、本当に価値のある大きな勝ち点1であり、最後まで闘い抜いた選手たちを心から讃えたい。



 本当にこの3試合を通して学んだことは大きい!選手たちにとってもこの経験は、この先彼らの財産となることだろうと思う。

 

 試合後、数人のダラスカップ関係者が「本当に良いゲームだった!」と話しかけてくれた。そして私たちサンガに嬉しいニュースが舞い込んできた。それは、こっちの大学チーム(SMU ※アメリカの大学サッカーリーグ1部)、そしてUSA U-20代表から、練習試合をしてもらえることとなったのだ。彼らは私たちのゲームを見て、そして判断してくれたのだ。
 


 改めて、この3試合、GS突破はならなかったが、選手たちは次に繋がる試合をしてくれた。残りの遠征をより充実したものにすべく、明日からまた意識を高く頑張りたい。