過激派組織「イスラム国」(IS)は9日までに、中国語でジハード(聖戦)を呼び掛ける音声の声明をインターネット上で発表した。中国語による呼びかけは初めてとみられる。中国国内にはイスラム教徒が2000万人以上いるとされ、ISが習近平国家主席率いる共産党政権に“宣戦布告”したともいえそうだということです。

音声は約4分間の宗教歌。中国の標準語である北京語で歌われており、題名は「われらは聖戦士」。「戦場で殉死するのはわれわれの夢だ」「武器を取れ」などと呼び掛けている。ISは先月、人質として拘束していた中国人を殺害したと発表した。中国政府は対テロ対策を強化する方針を表明しており、同組織が対抗して中国での活動をてこ入れする姿勢を示した可能性もあるようです。

中国には、ウイグル族や回族、カザフ族、トンシャン族など、イスラム教を信仰する民族が10ほどあり、大部分が中国西北部に集中している。共産党政府によるウイグル弾圧は知られているが、他のイスラム教徒に対する管理・統制も強化しているようです。

香港系週刊誌「鳳凰週刊」は昨年8月、《イスラム国/数年後に新疆ウイグルの占領を計画/中国を『復讐ランキング』1位に》という記事を掲載した。IS幹部が、共産党政府によるウイグル弾圧に怒り、中国を潰すと報復宣言をしたという衝撃的な内容だったそうです。

 現に、ISには、ウイグル族を中心に数百人の中国人が参加し、戦闘訓練を受けて帰国した若者が多数いるとされる。ウイグル周辺に「アジア版イスラム国」を建国する計画があるとの情報もあるそうです。

中国情勢に精通する元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「中国語による音声声明が事実なら、『ISによる習政権への宣戦布告』といえる。これから、中国ではホームグロウン(自国育ち)テロなど、さまざまなことが起こる」といい、続けたようです。

中国では近年、イスラム教徒だけでなく、キリスト教徒への弾圧も強まっている。環境汚染や格差拡大、汚職など、一般大衆の不満も高まっている。中国の歴代王朝は宗教的な大衆の反乱で崩壊している。宗教的な呼びかけは影響力が強い。ISで戦闘訓練を受けた者が中核となって、混乱を引き起こす可能性は十分ある。習政権は戦々恐々としているだろうかと言うことです。

ISがロシアの苛烈な攻撃に耐えかねて拠点をアジアに移そうとしているのかも知れません。確かにいろんなところで言われていたし、タイミングとしては不自然ではないのでしょうか。

中国語での呼びかけだから逆に共産党工作員がテロを理由に弾圧するための工作ではないかとも思ったが、本当にISの声明でしょうか。民族・宗教弾圧がトリガーで本格的な内戦が始まり、スプラトリー、尖閣、AIIBIMFSDR入りどころではなくなるかも知れません。

中国西方各国の国境はザル状態とも言われているようです。ウイグルは辛うじて秩序を守っているが、周辺国にはイスラム過激派が拠点を築いているという人もいます。人民解放軍は本気で心配しているが、南シナ海で今ひとつ弱腰なのもこれが理由らしい。中国は国全体が導火線、ウイグルで内乱が起きて彼方此方に波及したら燃え広がるだけ。イスラム国はその辺の事情を踏まえて、自信を持って広報活動をしているわけで、東南アジアにとってはかえって朗報ともいえるのでしょうか。

しかし、この声明を理由にウイグル弾圧がますます捗るかも知れません。中国は徹底的な弾圧で対抗だろうか、中国もロシアもそういうのは得意だから人の命なんて何とも思わない政府にISの今までのやり方は通用しないだろうかと思います。弾圧されている地域は結構乗っかりそうですか、また世界で紅組白組に分かれて戦う日がくるのでしょうか。