木村克己のブログ

木村克己のブログ

ソムリエ・日本酒スタイリスト 
木村克己の 酒と食に関するあれこれ
日々感じたことや出会ったもの・・
感性豊かに、語らせていただきます。

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窓辺から目にもまぶしい鮮やかな新緑と、爽やかな風がそよぐ。
ベランダでは、鉢植えの青じそや葉山椒が青々と茂っている。

近所のスーパーへ行けば、旬の実山椒にも出会った。
実山椒が出回る時期は短く、出始めたと思うと
あっという間に店頭から姿を消してしまうのだ。

我が家では、春には「いかなごの釘煮」を炊き、
初夏にはこの実山椒の下ごしらえもすっかり年中行事となった。
枝から実を外してアク抜きし、塩茹でしたものを常備している。

山椒は初夏を感じさせ野趣溢れる香りが爽快感をもたらし、
鰻や猪肉などクセのある食材との相性は抜群で、
健胃効果を併せ持つ、日本を代表するスパイスである。

山椒といえば、今や京都名物としてその地位を確固たるものにした
「ちりめん山椒」が有名であろうかと思う。
“おもたせ”として料亭の常連客へのサービス品として始まり、
後に季節の風物詩として、また家庭での常備菜として、
京都では無くてはならないものとなったのだと聞く。

さて、今年もちりめん山椒が食卓に上った。
シラスの天日干しもこれからが最盛期だそうだ。
醤油と日本酒であっさりと仕上げ、山椒はピリリと心地よい刺激。

これには酒もいいが、やはり炊きたてのごはんが一番の旬の味覚だ。
先週、気仙沼にてプチシェフコンテストが開催されました。
プチシェフ(小さな料理長)こと、
小学生、中学生、高校生による料理コンテスト。

事前に考案した材料、手順に基づいた料理を
あらかじめ決められた制限時間の中で調理し
審査員による試食、手際の良さや盛りつけ等
総合評価を競うものである。


 宮城県気仙沼市といえば、港。
 生活の中に海産物との関わりが深く
 多彩な食文化に恵まれた地域であり、
 先祖伝来の土地で生活を謳歌して来た。
 そんな土地柄である。

 その地で、料理コンテストを通じて
 「食」に対する畏敬の念を醸成させ、
 自然や生命を大切にする心情を育む
 機会に帰結させることを目的として、
 人が喜ぶことに優位性を感じる人となるべく、
 情操教育の場とすることとしたのが始まりとなる。

 私は、海産物だけではない気仙沼の食に惹かれ
 三國清三シェフにその審査員長をお願いした。



記念すべき10回目となる今回は3年ぶり、
実に震災以降初めての開催となった。

レシピと写真による書類審査を経て、
今回、本選に集まった挑戦者は21名。

その子供達が何度も何度も人知れず予行演習をし
本番に備え準備を重ねてきた努力は
完成した料理の輝きとなって、私の目に飛び込んできました。

震災・津波を経験した葛藤や苦悩、
そしてそれらを乗り越えようとするたくましさを
レシピの中から感じ取ることができました。

また競技中にアクシデントもありましたが、
最後まで諦めなかったこと、その姿に
彼らの生きる強さを感じ、胸がジーンとしました。

ご家族の後押し、協力もあったことでしょう。
アイデア、見栄えともにいい作品ができました。

今後のますますの研鑽を積まれませんことを祈念する次第です。
「第10回プチシェフコンテストin気仙沼」
本選が今週末10月5日(土)に開催される。
前回の第9回大会は、2010年10月であった。

資料を手にし、エントリーされた「プチシェフ」達の熱意に
何度、回を重ねても胸が熱くなる。

気仙沼は、世界有数の食材に恵まれた地域である。
花鳥風月に囲まれ、四季折々のアクティヴィティ、
広々とした蒼い空、そして豊かな海と共生している。

その広大な自然も、あの津波によって一変した。

自然を大切にし、いつくしむ心を持った人々が
つむいできた食文化の歴史がそこにある。
そのありがたみを、地元の子ども達とわかちあいたい。

あれから3年。もうすぐ気仙沼に会いに行く。
先日、私は60回目の誕生日を迎えた。

もう「還暦」だなんて、思いもしていなかった。
図々しくも、自分には似合わないと思っている。

しかし、嬉しいこともあるものだ。

かつての教え子達が中心となって、誕生日パーティーを企画してくれたのだ。

7月14日、パリ祭が私の誕生日である。
しかも今年は「海の日」の3連休の、ど真ん中だ。

にも関わらず、たくさんの人が駆けつけてくれた。

日本ソムリエスクール神戸校の卒業生とその子供達、
かつての仕事仲間や、セミナーの受講生などなど。

教え子が神戸・三宮で営むワインバー、SIR HIRAMATSUにて。

若かりし頃の写真をスライド形式で紹介してくれたり、
20年近く前に出演したTV番組を皆で鑑賞したり。

趣向を凝らしたプレゼントもたくさんいただき、
嬉しい驚きとともに、感激で胸がいっぱいになった。

しかし、まだ「赤いちゃんちゃんこ」とは距離を置いていたい。

彼らもその思いを察してか、「赤いボクサーパンツ」をくれた。

旧交を温め、20年前と変わらぬ笑顔を見せてくれた教え子達、
それぞれの活躍を垣間見ることができ、心から嬉しく思った。

たくさんの思いに触れ、幸せなひと時を過ごすことができた。

感謝感謝の一日であった。
いつものスーパーで、見慣れない気になる商品を見つけた。

“大豆でできたサラミ風おつまみ”【SOY DRY】(コンソメ味)
名称:大豆加工品
原料:大豆たんぱく、植物油脂、、等々

主な原料に肉は使われていないが(ビーフエキス・ポークエキスは含む)
歯応えはこりこりし、燻した香ばしい香りと脂の風味。
舌の上でも、肉の旨味とねっちり感が再構成される。
薄皮を噛んだ瞬間のパツンと弾ける感触から、脂のとろけ具合まで、
見事に、サラミそのものになりきっているのだった。

おやつにも良いが、やはりビールのおともにもってこい。
アルコール度数の低いバドワイザーやハイネケンなどがお薦めです。
しかも、コレステロール90%offとは朗報である。
それもそのはず、肉ではなく、大豆からできているのだから。

私がここまで熱く語ってしまうのには、深ーいワケがある。

日本にも精進料理の文化は古くから存在しているが、
いわゆる「もどき料理」(素菜、スーツァイという)が
台湾では盛んであると知り、数年前訪問した。

それからというもの、新しい「もどき料理」を探求していたからだ。

味、香り、歯応え、見た目まで本物そっくりに再現し、
良い意味で、素材を感じさせない。
意外性と、面白みを兼ね備えた、食のイリュージョン。

見て楽しい、食べて美味しい、知って笑いの渦が起こる。
まさに「食べられるギャグ」(ドヤ顔)。
そんなものを、私も目指していたのだ。


精進料理と名乗るからには、本来は動物性の素材は加えないのだが、
日本にも、優れた調味料や、香料がたくさんある。
未だ研究半ばの身である私にとって、“そそられる”商品であった。

どうやら新商品らしいが、ご興味のある方はお試しあれ。