「2001年宇宙の旅」の紹介~★ | Q太郎のブログ

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映画の見方を試されるSF映画の金字塔!


「2001年宇宙の旅」




 言わずと知れた名作SFで、


多くのベストテンで常に上位を


キープしている。



 1999年、人類はすでに月面に


基地を設営していたが、月面で


謎の人工物体が発見される。


フロイド博士は発掘された物体の調査に


赴くが、その物体は木星方面に


向けて強い信号を発信した。


2001年、アメリカは木星を調査


するため長距離探査宇宙船


ディスカバリー号を発進させる。しかし、


宇宙船内では様々なトラブルが


発生する。





 上記のあらすじはかなり


わかりやすくまとめたもので、劇中の


説明は必要最小限。正直言って


初めて見た場合は状況が理解できない


部分も少なくないと思う。









冒頭、


まだ人類が猿だった頃の地球から


はじまり、猿たちの前に謎の


人工物体、モノリスが出現、これに


触れた猿は動物の骨を武器にする


ことを覚え、動物たちの頂点に君臨


することになる。ここから場面は


一気に宇宙へと飛ぶという、


かなり斬新なスタイルになっている・・・。






 説明や台詞、いや台詞自体が


極めて少なく、映像から事態を


推し測るしかない部分も多い。骨から


一瞬にして変わる宇宙船は核兵器を


搭載した軍事衛星だという見方が


多いが、映画として見ているだけでは


その判断は難しい・・・。






 しかも映画はラストへに向かうと


まるで前衛実験映画のような展開


となる。そのため公開当時は一部で


絶賛されたものの、内容が難解


すぎるという意見が多かった。


ボーマン船長が体験する光の弄流は


アーサー・C・クラークの原作に


よれば超空間ネットワークを


使って超高速移動するイメージという


ことになるのだが、当時の


アメリカではドラッグを服用してみると


トリップできるとも言われ、60年


代末期のサイケデリック文化とも


密接に関係している。





 難解なラストに関しても一応合理的と


思われる解釈が存在するが、あまり


それにとらわれず見た人がそれぞれ


想いを持てばいいと思う。劇中の


エピソードの中では、ディスカバリー号


を統括する





コンピューター


HAL9000の反乱と、これに


立ち向かうボーマン船長の闘いが


一番わかりやすく、しかも、サスペンスフル


だったため、コンピューター・


テーマのSFという扱いを


されることも多い・・・。








 宇宙船内の特殊効果はワイヤーで


ミニチュアを吊るような方法では


なく、一度スチルで撮影した


高密度の写真をアニメーション撮影台


で背景と合成する技法が多用され


ている。また、ミニチュアの


デザインは完成度も高く、細かい部品を


表面に多数貼り付けて巨大感を


出す手法の走りとなった。また、冒頭の


荒野のシーンも撮影所敷地内で


フロント・プロジェクションと


呼ばれる合成システムで撮られた


ものだ。ストーリー展開こそ難解だったが、


これらの新技術を大画面で


堪能するだけでも大きな価値が


あった・・・。








 しかし、本作の翌年、


アポロ11号が月に着陸し、宇宙旅行は


現実のものと捉える傾向が強まった。


そのため残念ながら本作によって


宇宙SF映画ブームが起きる


ことはなかった・・・。


                (青井)










備考:この内容は、2012年8月21日 発行洋泉社

「映画の必修科目03~異次元SF映画100~」より紹介しました。