シンドラーのリスト

Wikiより抜粋
シンドラーのリスト』は、スティーヴン・スピルバーグ 監督による1993年のアメリカ映画。日本での公開は1994年2月。
第二次世界大戦時にナチスドイツ によるユダヤ人 の組織的大量虐殺(ホロコースト )が東欧のドイツ占領地で進む中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラー が1100人以上ものポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で絶滅収容所送りを阻止し、その命を救った実話を描く。
ホロコーストに関する映画の代表的作品として知られる。
監督:スティーヴン・スピルバーグ



登場人物




オスカー・シンドラー リーアム・ニーソン
主人公でドイツ人の実業家。
人当りがよくみんなに好いてもらう能力が高い。

イザック・シュターン ベン・キングズレー
ユダヤ系ポーランド人でシンドラーの会社の有能会計士。
彼なしでは1100以上のユダヤ人を救えなかった重要人物。

アーモン・ゲート レイフ・ファインズ
ドイツのナチス親衛隊将校 クラクフ・プワシュフ強制収容所 の所長を務めた。
シンドラーのリストで悪役の象徴的存在として有名。

ヘレン・ヒルシュエンベス・デイヴィッツ
アーモンに選ばれたメイドという名の奴隷。
いつ殺されるかわからない恐怖に怯えながら、アーモンの世話を焼いている。






あらすじ



ドイツ軍に占領されたポーランドのクラクフ は激しい迫害と差別に晒されることとなる。

ユダヤ人を激しく軽蔑するナチス率いるドイツ軍は、ユダヤ人を強制的に移住させた。

有名な○○収容所である。

そんな激動の中ドイツ人の実業家、オスカー・シンドラーがクラクフ へやってきた。

彼は儲ける事しか考えておらず、この戦争で軍事用品を作る事で一儲けしようとやってきたのだ。

廃れた工場を買い取り、琺瑯(ほうろう)容器工場を経営することとなる。

有能なユダヤ人、イザック・シュターンを経営者として迎え入れ、自身は持ち前の社交性を武器に軍での人脈を広げて社交性をアピール。

安価な労働力として、ポーランド人ではなく、ユダヤ人を起用する事で、安定した純利益を生み出した。

経営はすぐ軌道に乗り、大きな利益を得え、どんどん事業を拡大していく。

時が経ち、クラクフへアーモン・ゲート少尉がクラクフ・プワシュフ強制収容所 の所長としてやってきた。

アーモンはナチスドイツの中でも際立った残虐性を持ち、ユダヤ人を何とも思わず殺すような人物である。

やがてその魔の手はシンドラーの工場に忍び寄り、多くのユダヤ人従業員に危機が迫る…。





個人的感想※ネタバレ注意
ナチスに関しての文章は、調べた事柄を加筆しています。


白黒映画、3時間を超える長編ものなので、見る人を選ぶ映画だといえる。

私は歴史が知りたかったし、充分見応えがあると感じたのでその点に関しては満足している。


ナチスに関して

1939年に起きたドイツ軍による大規模なユダヤ人殺戮、人種主義、特に反ユダヤ人政策は常軌を逸した、殺戮、監禁が行われた。

また、自由主義者、社会主義者、共産主義者は、殺害、投獄又は国外追放され、キリスト教会もまた多くの指導者が投獄され、抑圧された。



ヒトラーの狙いは、外部に敵や標的を作る事で、自国を統率しやすくし、集団的マインドコントロールすることである。

現代でも中国や韓国で日本へ攻撃的な意思表明などを行っていたり、日本でも嫌韓、嫌中を意識的に報道したりと、今でも使われる手法である。

※あくまで私の考え方



シンドラーのリストとは、ドイツ人実業家のシンドラーが内部で働くユダヤ人を守るために、その優れた社交性を利用し、従業員を守っていく中で人を救ったという事実に基づいたノンフィクションである。

実の所シンドラーはユダヤ人に情が沸いたのではなく、最後の最後までお金の事しか頭になかったのではないかと、一部で伝えられている。

これはシンドラーの妻、エミリエ・シンドラーが残した言葉で、「ユダヤ人をあくまで労働力としか見ていなかった夫を美化している。」だそうだ。

ノンフィクションによくある加筆はまるで裁判のように10の事を100に、たまに1の事を100に誇張する事があるが、本作品はどうなのだろうか、気になる方はご自分で調べよう。

ただ、私は結果的に1100人以上の人間を救った事実を素直に受け止めたい。




本作品に関して歴史に基づいた残虐性はとても怖かった。

今からおおよそ75年前、こんな理不尽な事を国主導で行っていたという事実に改めて驚愕した。

犬猫以下の扱いを受けるユダヤ人達はなすすべなく隔離され、アウシュヴィッツ 収容所へ次々送り込まれていく。

いわゆるガス室送りだ。

他にも定期的に老若男女を選別、労働力と労働力にならない人間を分けたりと、辛辣な描写が何度も巡ってくる。

労働力にならない老人や子供がどうなったかは我々の想像通りである。

大きな死体の山を焼却している際、その山に対して発砲するドイツ兵は当時国が狂っているという事実を伝えてくれる名シーンだと思う。

従業員に危機が迫る中、シンドラーの心に変化が生じる。

金にしか目がなかった彼が、ユダヤ人の為に動き出したのだ。

とくに理由やきっかけになった描写はなかったように感じた、ただ、彼はずっと共に働き続けるユダヤ人によって動かされたのかもしれない。

従業員の保護が限界に近づいてきたと感じたシンドラーはあるリストを作成する。

人身売買だった。

彼は巨万の富を得て金には一切困っていなかった。

持ち前の社交性と有り余る金でアーモンやその上官たちを買収し、賄賂を渡し、結果的に1100人以上のユダヤ人が救われた。

リストの表向きの意味は新設された工場での労働力。

軍の見張りはいるが、これまた買収し、シンドラー所長の許可なくユダヤ人を処刑した場合、投獄されるなど脅したうえで酒を振る舞い、見張りの心を掴んだ。

新設された工場では砲弾を作る予定だったが、一切まともな砲弾を作る事なく、他社から買い上げそれを国に提供するという金儲けも何も残らない方法をとっていた。

7か月月日が経ち、遂に工場の資金が底をついた。

とほぼ同時にドイツ軍の降伏。

ユダヤ人は晴れて迫害から逃れる事となった。

最後に工場でのスピーチがあるのだが、一瞬ドキッとするような発言が飛び出すも、彼は自分の信念を貫き通し、惜しまれながら、感謝されながら工場を後にする。





今の時代でも日本という安全な国に生まれていなければどうなっていたか分からない。

現実にISISやメキシコでの殺人事件など世界では同じような人種差別や、殺戮が未だに繰り返されている地域が沢山ある。

人間とは失敗し、反省し、改善点をあげ、修正し、実行してより良い結果を出す生物だと私は考えているが、案外そうではないのかもしれないと、この作品と今世界で起きている事を比較した時に思った。



歴史や事実が知りたい人にはオススメ

心が晴れ晴れする事はないが、また一つ考える事が出来る作品と巡り合えてよかったと思う。

自身の人生の糧をしたい。





10/8