Wikiより抜粋
最強のふたり』は、2011年のフランス映画。
頚椎損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を、ときにコミカルに描いたドラマ。

2011年10月23日、第24回東京国際映画祭のコンペティション部門にて上映され、最高賞である東京サクラグランプリを受賞し、主演の2人も最優秀男優賞を受賞した。

また、第37回セザール賞で作品・監督・主演男優・助演女優・撮影・脚本・編集・音響賞にノミネートされ、オマール・シーが主演男優賞を受賞した。

フランスでの歴代観客動員数で3位(フランス映画のみの歴代観客動員数では2位)となる大ヒット作となった。
日本でも興行収入が16億円を超え、日本で公開されたフランス語映画の中で歴代1位のヒット作となった。
監督   エリック・トレダノ

主要登場人物

フィリップ フランソワ・クリュゼ
頚椎を損傷し、首から下が麻痺している大富豪。
ドリス オマール・シー
スラム街出身の黒人青年

イヴォンヌ アンヌ・ル・ニ
フィリップの助手で中年の女性。

マガリー オドレイ・フルーロ
フィリップの秘書。口頭筆記などを担当。

エリザ アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ
フィリップの娘。多感な時期。


あらすじ



富豪のフィリップは頚椎損傷で首から下が麻痺している。

だからといって落ち込むわけでもなく人として正しく生きてきた。

ある日介護士の面接を行っているところに、スラム街から来た黒人青年のドリスが現れた。

不採用証明書を獲得し、失業手当を貰う為にやってきたと語るドリスに、フィリップは自身に同情しないドリスへ興味を抱き、採用してしまう。

趣味も性格も正反対な二人だったが、唯一共通していたのは同情や偽善が嫌いだということ。

それから二人は意気投合し、たくさんのハプニングと充実した日々を送っていくのだが…。


感想※ネタバレ注意

今回は私の考えも書きました。

私の大好きなノンフィクション。

未だに二人は仲が良く、現在ドリスは会社経営をしている。

詳細はエンドロールを是非見て欲しい。

ドリス演じるオマール・シーがいい味を出しており、ノリの良さは海外の映画特有の楽しくなるキャラクター。

フィリップを演じるフランソワ・クリュゼは、ドリスを採用した後、周囲から強盗で半年服役していた事を伝えられるが、まったく気にしない。

フィリップは「彼は私に同情していない。そこがいい。彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」。と言い返すシーンは、聡明でポジティブでかっこいいセリフの一つである。

オープニングからすぐ耳にするEarth wind & fireの『September』の清々しさは心地よい。


September

このシーンは後程BGMなしの状態で同じシーンを見る事になるが、BGMありとなしではこうも見方が違うのかと驚かされた。

映画に置いて曲の重要性がとてもよく分かる比較である。

映画とは音楽で表現が大きく動くという事も伝わってきた事の一つである。

教養が欠けているドリスと、正反対のフィリップの掛け合いはつい笑ってしまい、温かく感じる。

親族がフィリップの生存を確認する為に集まる、つまらない誕生パーティでドリスが踊った曲

Boogie Wonderland

この曲のイメージにぴったり!

ノリノリのイヴォンヌで笑ってしまう(笑)

踊るドリスもかっこ良く、魅力的だ。

ドリスのダンスに周囲も音楽家たちも共鳴して踊りだす。

思い思いに体を動かし中にはひっくり返る者も!(笑)

ドリスには周囲を巻き込んで幸せにする力があると伝わるシーンだった。

そんな彼を見て同性としてとても魅力的に感じたし、中身は違えど周囲を幸せに出来る人間になりたいと思った。


フィリップとドリスはお互いを平等に扱い、ドリスはフィリップへ同情する事もなく、フィリップの奥さんが亡くなった理由、なぜ首から下が麻痺してしまったのかなど、包み隠さず話すようになっていた。



そんなフィリップには文通相手がいた。



エレオノールという女性である。



彼女に思いを寄せるフィリップは彼女に対して詩を送り続けていた、半年間も。



フィリップは紳士的な魅力を保とうとしていることをドリスに意思表示するが、実のところエレオノールは彼が首から下が動かないという事を知らせずにいた。



今度パリに来るとエレオノールの手紙には書いてあり、写真を送ることになったのだが、フィリップは自分に自信が持てない。


ドリスは「関係ない、偽る必要はない。」と車いすにのったフィリップの写真を選んだ。


だが、フィリップは最後までコンプレックスに打ち勝つことが出来ず、別の写真を送ってしまう。


デート当日、早い時間から待つフィリップ、緊張し、酒を飲み、どんどん自信を失っていく。


なぜなら、自分は首から下が動かないから。


その事実を偽った自分は彼女に会う権利があるのだろうか。


結果的にフィリップは逃げ出した。






彼女との関係に終わりを告げるシーンである。






ここで個人的感想を。
偽るという事は自分に自信がないという証拠であり、1つ偽ってしまえば、2つ、3つと偽り続けなければいけない。

私たち人間は長い人生の中で沢山嘘をついてきたが、それがいい方向へ進んだことは必ずしも多くないと思う。

嘘を1つ偽りを1つ重ねる度に、また嘘偽りを重ねなければならず、それはどんなに聡明な人であっても、嘘偽りを続ける事は困難である。

自分に自信を持つという事、本心で人と付き合うという事、とても難しい事だが、私は今現在そうしていたので、このシーンにとても感銘を受けた。

読んでくれているあなたもそうであって欲しいと願う。

二人の楽しい毎日は永遠と続くわけではなく、ドリスの弟がフィリップ邸へ訪ねてきた。

ドリスの母親や弟とその家族が抱える問題を察したフィリップは、ドリスとの契約を解除する事になる。

ドリスが必要なのはフィリップだけではなかったという事を知ったフィリップだった。

お互いに認め合い、別れ、それぞれ別々の道を生きる事となった。

フィリップは再び面接を、採用した介護士はごくごく一般的な『同情』してくる人間。

食事も喉を通らず、あの楽しかった日々を思い出すフィリップ。

一方ドリスは弟の抱える問題を解決し、フィリップ邸で学んだことを活かし、新しい仕事も順調にこなしていた。

とある日ドリスへイヴォンヌから連絡が入り、ドリスはフィリップへ会いに来た。

荒れていたフィリップと依然と変わらず接するドリス。

そして、冒頭のシーンへ。

遠く離れたとあるホテルの一室に着く。

じゃれあう二人、ボーボーに生えたヒゲを剃りつつフィリップで遊ぶドリス(笑)

突然ドリスはフィリップへ連れていきたい場所があると彼に伝える。

連れてきたのは海辺の美しいレストラン。

どうやら食事するらしい。




「やっと見つけたんだ。」と笑顔で話すドリス。








「今度はうまくやれるさ。」と言い放ち席を外すドリスに困惑するフィリップ。




この時点でフィリップは察したのかソワソワ落ち着かない様子。




席にきたのはエレオノールだった。




ドリスへ目配せし、確認するフィリップ。




ドリスは最高の笑顔で目でフィリップに語り掛ける。




硬直し頬が真っ赤に染まり、どうしたらいいか分からないフィリップと、物腰が丁寧なあいさつを送るエレオノール。




ここで物語は終わり、後日談へ。

後日談はあなた自身に観て欲しいので、割愛。



個人的な意見を。

視聴者はみんなフィリップであるといえる。

フィリップは首から下にコンプレックスがある。

私もコンプレックスはある。

みんなそれぞれ違えど、コンプレックスはもっているであろう。

コンプレックスや自分に自信が持てないフィリップを自分自身と重ね合わせ、今すぐ振り返ってみよう

または自分を見つめなおしてみよう。

あなたはコンプレックスだけではなく、例えばフィリップの場合、聡明で知的で包容力があるように、あなたにもフィリップのような優れた部分が必ずある。

コンプレックスはみんな持ってる、それに捉われるのではなく、あなたの優れた部分や良い部分を見つめましょう。

フィリップはハンデを乗り越えエレオノールと会うことが出来ました

あなたもきっと同じ事が出来ます。


10/9.5