
Wikiより抜粋
『アイ・アム・サム』(I am Sam)は、2001年に公開されたアメリカ映画。知的障碍を持つ父親と、幼い娘との純粋な愛をビートルズの曲とともに描いたドラマ映画。
父親役のショーン・ペン がアカデミー賞 主演男優賞にノミネートされた。
娘役のダコタ・ファニング は放送映画批評家協会賞 、ゴールデン・サテライト賞、ラスベガス映画批評家協会賞、ヤング・アーティスト賞を受賞し、映画俳優組合賞の助演女優賞にも最年少でノミネートされた。
また、当映画は日本アカデミー賞 の外国作品賞にノミネートされた。
主要人物
サム・ドーソン ショーン・ペン
7歳の知能しか持たない主人公。ルーシーの親。
コーヒーショップに勤めており、ビートルズをこよなく愛する。
ルーシー・ダイヤモンド・ドーソン ダコタ・ファニング
サムの娘。自分の父親が周りと違う事を認めつつも、父の愛情をたっぷり受けて育った。
父を必要としていおり、賢い一面もある。
リタ・ハリソン・ウィリアムズ ミシェル・ファイファー
親権をサムへ戻すため奔走する女性弁護士。
サムと出会った当時仕事は完璧だが、家庭が崩壊していた。
ひょんなことでサムの弁護を承るが、サムとルーシーの固い絆に触れ裁判へ情熱を注ぎ込むようになっていく。
アニー・カッセル ダイアン・ウィースト
サムの隣人。彼女は音大を主席で卒業したピアノ教師だが、実は20年前から外出恐怖症となり、ずっと自分の部屋から出ずに暮らしている。
サムへ手を差し伸べ、ルーシーを預かり、サムは働くという関係が出来ていた。
あらすじ
スターバックスで働くサム・ドーソン(ショーン・ペン )は7歳の知能しか持っていない。
ホームレスの女性がサムの子を出産したが、サムに子供を預けるとすぐにその場から離れ、サム1人で子育てする事となった。
周囲とアニーの協力でルーシーは明るく賢い子に育つ。
7歳の誕生日を迎えたルーシーだが、自分の父親が他の父親と違う事に気づく。
やがて障碍者に子供は育てられないと裁判所から親子が引き離され、失意にくれるサムだったが法廷で闘う事を決意する。
ひょんなことからリタに弁護してもらう事となるが、証言者として周囲の障碍者はうまく証言できず、裁判は困難を極める。
感想※ネタバレ注意
ダコタ・ファニングの3作目、図抜けた演技力で、各新人賞を総なめにした演技力が見どころのひとつ。
更にショーン・ペン の愛のある演技力は観るものを魅了する。
7歳になりサムの知能を越えたルーシーがいつものファーストフードで
ルーシーは「お父さんは普通のお父さんとなぜ違うの?」とサムに問う。
サムはじっとルーシーの話を聞き、苦しみながら悲しい表情で「こんなお父さんでごめんよ。」と答えた。
ルーシーはそんなサムを慰めるようになる。
いつも読んでいた本を卒業し、新しい本を読むようになるが、ルーシーが読めて、サムが読めない単語がでてくるようになった。
ルーシーはお父さんの知能を越える事へ恐怖し、勉強することを拒否してしまう。
ここはルーシーがサムの事を深く愛していた証で、お父さん思いの娘の葛藤が描かれている。
これはサムがルーシーへ注いだ愛情がルーシーの心を動かした場面で、これから先このような描写が多く含まれる。
サムはルーシーへ本を読むように叱る。
私が父親だ、父親のいう事は聞きなさい、この本を読みなさい。
ルーシーはサムの知能を追い抜いてしまう。
ソーシャル・ワーカーはサムに養育能力なしと判断し、ルーシーとは離れ離れに、途方に暮れるサムだったが、強力してくれる弁護士を探し、リタと出会う。
リタはバリバリのキャリアウーマン、仕事は全て金の為、慈悲活動なんて一切興味なし!
仕事に追われ、夫は浮気し、息子はいう事を聞いてくれない。
奉仕活動も出来るという所を仲間に見せる為、サムの弁護を無償で受けるが、彼の障害者の友人たちは裁判で普通の証言ができない。
最後の希望の星、アニーが外出恐怖症をおしてルーシーとサムの為に法廷で証言をする。
このシーン、検察側のMr.ターナー リチャード・シフ が憎たらしくて堪らなかった。
彼の演技力もさることながら、相手の弱点を徹底的に突く無慈悲さは恐ろしい、ただ自分の正義や信念を曲げず、Mr.ターナーもこの問題を真剣に考えている人の1人だという事が伝わった。
考え方は違えどルーシーの環境を整えてあげたいという人物はもう一人出演する。
裁判に負け、サムとルーシーは離れ離れになった。
条件付きではあるが、サムに親権が与えられた。
ルーシーは里親夫婦ランディと一緒に暮らすという条件で。
そんな問題にもめげず、二人の絆は益々強固なものとなっていく。
サムはランディ夫婦の近所へ引っ越し、夜中になるとルーシーが家を抜け出し、サムの家で眠るという習慣まで出来てしまった。
それだけサムがルーシーに注いだ愛情が深かったのだろう。
リタはサムの心に触れる度、彼の素晴らしさに気づいていく。
最初は周囲の評判を保つために始めた無料奉仕が、いつの間にか彼女の心の中心になっていた。
サムとリタは証言の練習をし、どんどん心を通わせていく。
裁判当日、サムが証言する日極めて重要な日である。
サムは失敗した。
7歳の知能で精いっぱいこなしたが、有能な弁護士の前では歯が立たなかった。
絶望的な状況にサムは諦めて引きこもる。
そんなサムにリタは自宅へ訪れ、もう一度立ち上がろうと説得するが、彼はもう気力がない。
リタの気に障る事(失念)をサムが言った瞬間、リタが大激怒!
旦那は浮気して私なんかよりもっといい女と過ごしている!息子は全く相手をしてくれない!
どうすればいいの!(みたいな感じ)
サムはリタをハグし、落ち着かせ旦那と離婚するようアドバイスする。
そしてもう一度立ち上がる。
それから数日たったある日、深夜にランディがルーシーを抱えて、サムの自宅へやってきた。
ルーシーはあなたの子供、あなたと一緒にいるべきだ、明日の裁判はあなたの隣の席で証言させて欲しいと。
最後はフットボールの試合でサムが審判、ルーシーがゴールを挙げ駆け巡るサムとルーシー。
リタも息子と仲良さそうに観戦、ランディ夫妻も見守っている。
ランディはこの物語の中で非常に重要なキーパーソンだ。
彼女は実に愛に奥深い女性であった。
サムが主人公の為、里親のランディは嫌味な夫婦に捉えられがちだが、気持ちをフラットにしてランディを追うと彼女のルーシーを思う気持ちが大変良く伝わってくる。
絶対にルーシーを育て上げるという強い信念と、サムとルーシーの絆の深さに触れた時、ランディはルーシーを真に想っていたからこそ、サムの隣で証言したのだろう。
ルーシーをサムと同じくらい想っていたランディの行動は素晴らしく、本当に相手の事を思って行動する事は、飾らず全て自分の気持ちに素直になるという事が改めて重要だと感じた。
愛に溢れた作品。
とにかく泣きたい人にオススメ。
欠かせないのがビートルズの数々の名曲。
音楽って素晴らしい、こんなにも気持ちを変えてくれるという事を再認識させられる。
あと付け加えるとするならば、ダコタ・ファニングちゃんがとても可愛い!
10点満点中10点!!