変わらず暑い日々が続きます。皆様いかがお過ごしでしょうか。


前回の記事には「子どもの自己選択」について私がサマースクール中に見たことを書きました。

 

①自分のやりたいことがある子ども

②特にやりたいことはないけど、誘われるとやってみようかなと思う子ども

③特にやりたいこともないし、誘われたこともやりたくない子ども

 

↑このようにずいぶん乱暴にグループ分けをして、アメブロ記事にしている自分の適当ぶりに驚いて(反省して)います。

 

せっかくですので、私が観察した(目で見た)部分と、観察できない(目では見えない)部分について考えていこうと思います。


子どものいえのサマースクールは、時間割りや盛り上がるイベントなどは特になく、用意されているのは「始まり」「お昼ご飯を食べる」「終わり」と、「自分が選んだことをやるまとまった時間がある」というものでした。


今回は、「特にやりたいこともないし、誘われてもやりたくない」と言った子どもの気持ちや感情と思考(目に見えない部分)について考えたいと思います。

 

<参考動画>

・「ミニ動画で子育て応援83 『めんどくさい』はめんどくさくない」ー公益社団法人 子どもの発達科学研究所



サマースクールの朝の会、何もやりたいことがない子と大人の会話


大人「今日のやりたいこと決まってる?」

子ども「別に」

大人「何かやってみたいことある?」

子ども「特に」

大人「こんなのあるよ?」

子ども「やだ」

大人「こんなこともできるよ。やってみる?」

子ども「めんどくさい」「何もやりたくない」


このような場合「興味関心がない」とか、「意欲がない」と観察することができない子どもの気持ちを大人が決めつけて真実のように捉えられることがあります。


子どもが発した言葉は真実ですが、それ以外は憶測でしかなく真実ではありません。

 

子どもの発達科学研究所、子育て応援ミニ動画によると、


『ネガティブな言葉の裏には、「心配」「不安」「怖い」「それできるかな?」「うまくいかなかったらかっこ悪いし恥ずかしい。」など様々なネガティブな気持ちがある。そのような複雑なネガティブな感情も、子どもが持ち合わせている気持ちや感情を表す言葉が少ないので、「やだ」「やりたくない」「めんどくさい」などの言葉でしか表せていない可能性がある』と述べられています。

 

では、子どものいえではどのように手助けができるでしょうか?

 

①まずは「受け止める」。

子どものいえでは「やらなくていい」を選んでも大丈夫。その時に大人が嫌味を言ったり、嫌味な態度を示したり、他の子と比べません。そして、何もやらないからとほったらかしではなく「何があるか見てみる?」「〇〇ちゃんのお仕事見てみる?」「台所覗いてみる?」など誘うことを続け、その反応を観察します。子どもから何らかの合図が出たときは全力で対応する。

 

②その次は自分のネガティブな気持ちを表現できる様、気持ちや感情を表す言葉を紹介する。語彙やバリエーションを増やせるような環境の準備をする。

 

③ネガティブな感情を払拭するためにポジティブな経験を積み重ねることができるような環境の準備をする。

 

②③の「環境の準備」はモンテッソーリ教師の重要な仕事であり、それができるように子どもを観察するところからの厳しいトレーニングがあります。

 

例えば「感情を表す言葉」を子どもに伝えたいと思ったとき、その言葉が環境の中になくては子どもは吸収することはできません。教師は意図的にそれを環境の中に用意します。


感情を表す言葉ってどのくらいあると思いますか?


結構あります。それを子どもの発達段階に合わせて準備します。これに(おそらく)マニュアルはありません。現場の先生方がどのように子どもに伝えるか、カードなのか、本なのか、集団か、個別か、劇か、実際の生活の場かなど、0−3歳の子にはどうするか、3−6歳の子にはどうするか、小学生にはどうするか、自分の教室の子どもたちにどんな方法が適切なのか日々考えます。


教室の環境が先生の実力そのものと言う人もいます。

 

ではモンテッソーリ教師の準備する環境とはどのようなものかというと、


『子どもが「できた」「やった」「自分でわかった」「気がついたら知っていた」「みんなの役に立っている」このような小さな経験が積み重なって、ポジティブな感情や言葉を生み出し、それが自己肯定感を高め関心・意欲につながっていく。スモールステップで少し頑張れば「できた」とういう体験ができる環境』です。









そして前出の「子どもの発達科学研究所」も、スモールステップで「できた」というたくさんの体験を積み重ねることができる環境を大人がどれだけ用意できるかが大事と言っています。


100年以上前、科学的教育方法と言われるモンテッソーリ教育を生んだモンテッソーリと、現在、科学的根拠に基づいた子育て•教育を伝えてくれているこどもの発達科学研究所という科学の視点を持つ方々が「環境」の大切さにたどり着いているところが非常に興味深いです。


日本の教育も、たくさん知識を持っている大人が子どもに知識を教えこむのではなく「子どもが環境に主体的に関わり自ら学びを発展させてゆく」という方向に移行してきているのがわかります。


大人の役割は環境と子どもをつなぐだけです。モンテッソーリは教師のことを教師ではなくガイド(例えばバスガイドさんが知らない土地を案内してくれるように、子どもがまだ知らないことを学べるように案内するイメージ)と名付けています。


このように、環境を整えて子ども主体となって活動できる場が館林市でも広がりつつあるように感じます。


わたしも引き続き、子どもたちに弟子入りし、子どもの持つ力を最大限に発揮させることができるような環境が作れる大人(ガイド)を目指したいと思っています。


西高根モンテッソーリ子どものいえ、9月もどうぞよろしくお願いします。


体験•見学ご希望の方はLINEからお問い合わせ下さい。その際①お名前②お子様のお名前③お子様の生年月日④通っている園や学校⑤お問い合わせ内容をご記入下さい。

 

お問い合わせ先

西高根町モンテッソーリ子どものいえ

古賀久美子(代表)


※西高根モンテッソーリ子どものいえは、0歳から15歳までの子どもたちと子育て中のお母さんが遊びに来て良い場所です。(16歳からはボランティアスタッフになります)こどもの心専門医よる子育て相談会も開催しています。館林市で子育て中のお母さんが1人で悩むことがないようお手伝いしたいと思っています。どうか、この小さな案内が必要としている多くのお母さんたちの目に届きますように。