著者近影  祇園精舎の鐘の声  諸行無常の響きあり  「平家物語」の冒頭でおなじみのフレーズよ。形あるものは常に移ろい,いつかは壊れる。永遠に続くものなど何も存在しない,ということね。いかにも仏教的な世界観に基づく言葉じゃないかしら。  永遠などどこにもない。今という時すら,個人にとっての意味しか持たず,物事の流れからすればほんの一瞬。モノっていうのは永遠ではなく,DQ10 RMT,いつか必ず失われるのね。では,なぜそのモノによって価値が変わってくるのか。それは,そのモノを扱う人間にとって有益であるかどうか,これに他ならないわ。  人はいつからか,共通の価値を測るものとして「お金」を生み出した。このモノサシによって,人間の社会に秩序が生まれたわ。お金のために時間を使い,お金で自分にとって必要なモノを得る。こうやって,人間はある程度共通の価値観を持つことができているの。人間にとって有益であるモノは,基本的にそれを得るのに見合うだけのお金が必要となってくるわ。実際にはそうでもない部分もあるけど。  ともかく,人は金でモノを得る。これは永遠ではないにしろ,少なくとも人間が秩序を保っている間はきっと変わらないことよ。逆に考えると,人は金を作ってしまうほどモノを欲しがる生き物だ,とも言えるわね。形あるものはいつか壊れるのに。では,形ないものはどうなのか?  ……ハイ,お堅い風の前フリ終わりましたよ! 要するにですね,最近,我々ゲイマーはゲイム業界からある一つの選択を強いられておりまして,それがまさに「形の無いモノにお金は払えるのか否か」ということ。もっと平たく言うと,ダウンロードコンテンツにお金を出せるのか? と。現時点ですでに払える,rmt,あるいは払ってるよって人はいいのよ。ただ,それが全員じゃないという現実があるわけで。  今までゲイムと言えば,お金を出してゲイムデータが入ったディスクないしカートリッジ的なモノを買って,それでゲイムをプレイしていたわ。でも今は,ダウンロードしてデータだけを買うという選択肢も現れた。  それ自体はいいのよ。モノに落とし込まなくてもいい分,コストの削減にもつながるし,モノじゃないから在庫も抱えなくて済む。売り手にとってのメリットは,まずこんなところにあるかしら。だから,それはそれでいいの。  ただ,問題は買う側にあるのよ。経済というものが需要と供給で成り立っているってことは,言い換えると売り手と買い手がいて初めて経済が成り立っているわけ
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