。  アメリカにおけるゲーム開発は,分散化が進んでいる。またチーム全体が草の根キャンペーン式で開発にコミットメントしていくため,チームは強いモチベーションを持つ。これは,例えば小島プロダクションにおけるMGSの開発において,小島氏のアイデアがトップダウン式で伝えられるのとは対照的といえる。  アメリカでは,権限の抑制と均衡が重視される。クリエイティブ?ディレクターの権限は削がれる傾向にあり,また逆にアート?ディレクターの職分にクリエイティブ?ディレクターが意見を述べることもあるという。  このようにチーム全体が互いに話しをしながら,rmt,チーム全体で意思決定をしていく。そしてこの意思決定において,データが重視されることになるというのは,合理的な帰結であろう。「もっとゲームの表現をブラッディにしたい」と思うなら,そのアイデアを裏付けるデータを持って来い,という構図である。 ■ビジョンとチーム権限のバランス  アイデアをチームに押し付けるのでは駄目で,チーム全体に任せるべきだというのは前述のとおりだが,ではそれで必ずうまく行くかと言えば,そうではない。  だからこそクリエイティブ?ディレクターは,チームに自分のアイデアを伝える方法を確立しなくてはならない。チームに任せすぎになるのはマズいし,かといって指示を与えすぎるのもよろしくない。このバランスは的確に把握されなくてはならない。 ■ビジョンの共有  ゲームの持つ物語性がどうであるとか,マーチャンダイズの方針がどうであるとかといった話とは違うレベルで,ゲームのビジョンが共有されている必要がある。  とはいえ,クリエイティブ?ディレクターが最初に抱いたビジョンをそのまま実現できると考えてはいけない。 ■ビジョン?ステートメントとエックス?ステートメント  頭の中にあるビジョンをまとめるのは難しい仕事だ。このため,このビジョンを数行でまとめた文章を作るというのは,クリエイティブ,ドラクエ10 RMT?ディレクターにとって,とても大きな仕事となる。  ビジョン?ステートメントは,いわば「ゲームの売り文句」だ。例えば「」のビジョン?ステートメントを作るなら「高校時代を再現し,理想の女の子といちゃいちゃする(ただし女の子はDSの中にいる)」。「BAYONETTA」( / )なら「セクシーな悪魔狩人(サラ?ペイリン似)が主人公の,より派手なDevil May Cry」,といった具合だ。このビジョン?ステートメントは,チームメンバー全員が必ず覚えていなくてはならない,と氏は語る
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