。Mali-T624とMali-T628,Mali-T678の発表がSIGGRAPH 2012の会期中に行われたため,ARMブースでの展示に期待が集まったのだが,今回発表された3モデルの実動デモは行われていない。その代わりに,Mali-T604のテストシリコンを使ったリアルタイムレンダリングデモが2つ披露されていた。  Mali-T604は,2011年の夏ごろ発表された製品だが,「ARM Technical Symposia 2011 Japan」でも実動シリコンがなかったので,今回のデモはなかなか興味深いところだ。 お化け屋敷のデモHauntheimは,一人称視点になっており,実際にジョイパッドを操作して屋敷内を探検することができた  1つは,ro rmt,お化け屋敷を探検していくアドベンチャーゲームのような「Hauntheim」というデモ。OpenGL ES 3.0とOpenCL 1.1の両方が使われているのだが,ユニークなのは,OpenCLで「Deferred Lighting」(Light Pre-pass)パイプラインを実装している点だ。  Deferred Lightingパイプラインでは,OpenGL ES 3.0で実装された「MRT」(Multi Render Target)と,ジオメトリレンダリングとともに深度情報や法線情報を先出しする「G-Buffer」でレンダリングし,OpenCL側でG-Bufferを参照しつつ,ライティングとシェーディングを行っている。これは,「」の「Frostbite 2」エンジンで,DirectX 11の「Compute Shader」によりライティングとシェーディングを行わせる「Deferred Rendering」の実装形態と同じだ。  今回のデモでも,Deferred Lightingの特長を活かした,無数の動的光源を配置したライティングリッチなグラフィックスになっており,確かにこれまでのスマートフォンにおけるグラフィックスとは世代が異なるビジュアルとなっていた。  お化け屋敷の中に設置されている椅子や机,そして木箱などにインタラクションが行えるようになっていたが,それらに対する剛体物理シミュレーションは,OpenCLで実装されているとのことだ。 デプスシャドウマップ法の影生成により,シーン内ほぼすべてのオブジェクトに対してリアルタイムで影が生成されていた。また,ハイダイナミックレンジ(HDR)レンダリングにも対応しているので,高輝度部分から光が溢れ出るような表現も
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