。とくにPSO2の場合は同じクエストを繰り返すケースが多いため,似たようなクエストで同じBGMが繰り返されると飽きてしまう。そこでSYMPATHYでは毎回異なるBGMが流れるよう設計してあるという,ドラゴンクエスト10 RMT。  それを実現する礎となるのが,パート?楽章?フレーズ?クリップというBGMの構造だ。大きく分けると, するというのが主な組み替え方で,「基本的には物量に頼った戦略」だそうだ。「サウンドコンポーザーの努力と根性」に支えられているとのことで,なんとも(いい意味で)セガらしい。 BGMを飽きさせない5つの仕組み。4.で示したクリップのランダム選択にあたっては,「先に選ばれたクリップ」を記録しておいて,同じクリップが連続して選ばれないようにするといった工夫も盛り込まれているという このスライドはランダム再生の例。セガの内製ツール「SYMPATHY MUSIC EDITOR」を使って説明してくれたが,画面の四角い箱がクリップを示す。赤く表示された箱が「再生中のクリップ」だ。スライド中,赤い枠で囲まれた部分に効果音などが多数用意されており,黄色や緑色枠内のリズムなどと組み合わされたうえで,ランダムに切り替わりながらループ再生され,それまでになかったBGMを生み出していく  2つめのコンセプトは「プレイヤーがゲームの盛り上がりをBGMから体感できるようにする」というものだ。たとえば,強い敵に遭遇したときや,敵を追い込んだとき,DQ10 RMT,あるいは逆に敵にやられそうなとき……などといった状況に応じて,SYMPATHYはそれらしいBGMを作り出すようになっている。  セガによると,「『状況』のうち,数値化できるパラメータを数値化して,“ある計算式”から3つのパラメータ『ヒーロー度』『ピンチ度』『盛り上がり度』を導き出し,それに応じてBGMを変えている」とのことだ。 ゲームの「状況」中,数値化できるものを数値化。ヒーロー度とピンチ度,盛り上がり度という3つの度合いを計算し,計算結果に応じてBGMを切り替えているという  上のスライドで,ヒーロー度とピンチ度は並列関係にあり,盛り上がり度はそうでないことに気づいた人もいると思うが,3つのパラメータは,矢印で示される関係性を持つそうだ。具体的な計算式は示されなかったが「計算式は試行錯誤で決めている」と説明していたので,大まかな関係に基づく式を作っておき,実際にテストしながら式やパラメータを変え,BGMがいい塩梅になるように調整してきたということではないかと思う
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