■秘訣はマイルドな酸味

 これまでの酢がツンととがった「肉食系」の香りなら、こちらは淡くやさしい草食系といったところか。

 混ぜればさっとおかずができる「専用調味料」が全盛の今、さじ加減が難しいイメージから酢は台所での使用量がじりじり落ちる傾向だった。こうした中、21年2月の発売以来、累計約500万本とヒットした。

 「人気の秘訣(ひけつ)は『やさしい』という名前に凝縮されています」と、ミツカン(愛知県半田市)の製品企画部、正村晃一さん(38)。

 まず風味。酢の大きな特徴は「ツンとした酸味」だが、調査では主婦の半数がこれが苦手だった。

 「酢」らしさは残し、「ツン」とした酸味は抑える。この絶妙なバランスを探すべく、複数の醸造酢に柑橘(かんきつ)の果汁などを合わせ、試作を重ねて1年。正村さんは「酢の物100杯分くらい食べて」、品よくやさしい酸味に至った。

 もう一つの「やさしい」は、「酢を使いこなせない」という若い主婦のため、使いやすさを徹底的に追求したことだ。

 調味の「さじ加減」が失敗しないよう、醸造酢に塩や砂糖、アミノ酸などを配合した「調味酢」にして発売。「慣れない人が甘みや塩を足しても、もともと味のバランスが整っていて、それなりに味が決まる。酢の物なら、そのままかけてもあっさりおいしい」

 ビギナーは、使い方が「酢の物」ワンパターンになりがち。そこでボトル側面にQRコードを載せ、携帯電話で「やさしいお酢」を使ったレシピ100種類を紹介。煮物、あえ物、いため物などレパートリーが広がるように工夫した。

 風味と使い勝手。2つのやさしさが主婦のハートに響き、「やっと合えたね」とファンレターが来たことも。男性も、調味料も、草食系がモテるのか-。(津川綾子)

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