ザ・シャウト さまよえる幻響 | Untitled



ザ・シャウト さまよえる幻響(’78)イギリス

原作:ロバート・グレイブズの短編小説「叫び」

監督:イエジー・スコリモフスキ


今、世界中であの映画が注目されておりますが、私は我が道を進みます(笑)

進んだのはいいですが、これは変な映画ですね~ だって、スコリモフスキだから。

こういう変な映画、当ブログでは大歓迎です。

“音響ホラー”とでも言うのでしょうか・・・・?

叫び声で人を殺すことのできるという男がいよいよ叫んだその時・・・・・



精神病院で開催されるクリケット大会のスコアラーを任されたロバートは

そこで出会ったクロスリー(アラン・ベイツ)という男から奇妙な回想話を聞かされる。

妻レイチェル(スザンナ・ヨーク)とふたりで暮らす

音楽家アンソニー(ジョン・ハート)は教会からの帰り道に謎の男クロスリーに出会う。

クロスリーはなぜかアンソニーの自宅に押しかけ

かつて自分の子どもを殺したこと、そしてオーストラリア先住民から

叫び声で人を殺す能力を授けられたことを夫妻に打ち明ける。



1番の見所は、もちろん 『ノーカントリー』 のハビエル・バルデムみたいな

異様な雰囲気を持ったクロスリーの “シャウト” シーンなんですけど

自称音楽家のアンソニーは部屋にこもって、変な音ばっかり収集してるんです。

ガラス板の上にビー玉を転がし、さらに水を流して変な音を出したり

空きビンの中にハエとマイクを突っ込んで、ぶぅ~~ん!ていう音が反響したり

缶に穴を開けヴァイオリンの弓で、キキキキィーーって

神経を逆撫でするような音を作り出したりして、それを見たクロスリーは

「空疎な音だ」 って、鼻で笑うんです。 なにせ叫び声で人を殺せるだから。



他人の家にズカズカ上がりこんで、何日も居座るクロスリーに

「あの人キライ」 って言ってた奥さんのレイチェルだったけど

「子供ができないの・・・」 と、夫婦生活の不満を漏らしたりして

クロスリーの魔術によって、欲求不満の妻は彼の虜になっていくんです。

ふたりの夫婦が謎の男によって、次第に侵食されていく過程は

ただの“変な映画”と切り捨ててしまうにはもったいない緊張感です。


話は戻りますが、世界中で注目されているあの映画・・・・・

我が道を進むと言っときながら、あれは、さすがに観たいな~(笑)



カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作



叫び声で人を殺すことのできる男に人生を狂わされていく夫婦の運命を
現実と幻想を織りまぜた異色サスペンススリラー
ザ・シャウト さまよえる幻響 [DVD]/アラン・ベイツ,スザンヌ・ヨーク,ジョン・ハート

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