シナのルーレット | Untitled



シナのルーレット(’76)ドイツ国旗フランス国旗

監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー



交錯した関係の8人が一堂に会して食卓を囲んだとき

“シナのルーレット” と呼ばれる心理ゲームが始まる。

それは、家族の欺瞞や内面に秘めた憎悪がさらけ出される残酷なゲーム。



“シナのルーレット” とは、“支那(シナ)のルーレット”のことで

元は「チャイニーズ・ルーレット」と呼ばれる真相究明の、連想ゲームに似た遊びで

「ロシアン・ルーレット」以上に残酷で自己閉鎖的な遊戯とも言われていて

各人が自分の最も憎悪している人物について、容姿や行動の罵りに始まり

当人の処刑法を愉しげに語りあう。 ただし、固有名詞は一切口にしない。

ゲームが進むにしたがって、不安と焦りの色合いが濃くなり

“その人物” は、ひょっとして自分のことなのでないかという疑念を抱くように・・・・

夫婦とそれぞれの不倫相手、足の不自由な娘と聾唖の家庭教師

家政婦とその息子の8人が、郊外の古城で残酷で自己閉鎖的な遊戯に挑むんです。



動いてはピタッと止まり、動いてはピタッと止まり

まるでチェスの駒のように無機質な動きをする8人の登場人物。

ピタッと止まった状態の人物や家具の配置が完璧すぎるぐらいの画面構成。

鏡に映る人物も多く使われ、抜群のタイミングで映りこんでくる。

さらに、巧いっ! と唸ってしまったのが

居間の中央に置かれたウイスキーを入れる透明のガラスケースの存在。

光の加減で透明のガラスが鏡になって人物を映し出したり

逆に人物を隠してしまったり、時には歪んだ顔を映し出したり

なんてことない小道具が、さまざまな感情を映し出しているんです。



ファスビンダーのことは、よく知らないけどアンナ・カリーナが出てるなら

っていうノリで観た方も多いのでは?(笑)  私もそのノリでした。

’70年代のフランス映画は低迷期だったからドイツ(当時は西ドイツ)に流れてきた?

ブログの顔になっていただいているマーシャ・メリルも出ていたし

ひと言も喋らない役なのに存在感抜群でしたよ。









夫婦とそれぞれの愛人、足の不自由な娘ともの言わぬ家庭教師――
深夜の城内で、冷酷な暴露ゲーム《シナのルーレット》の幕が上がる
国際的スターとファスビンダー常連俳優による豪華な演技アンサンブル
シナのルーレット [DVD]/アンナ・カリーナ,マーギット・カーステンセン,ブリギッテ・ミラ

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