死への逃避行 | Untitled



死への逃避行(’83)フランス国旗

原作:マルク・ベームの小説「THE EYE OF THE BEHOLDER」

監督:クロード・ミレール


名前を変え、衣装を変え、髪型を変え、瞳の色を変え

そして、人格までも変える。 まさに “イザベル・アジャーニ七変化”

世界を股にかけた “死への逃避行” がはじまる・・・・・



娘の死に深い傷を負っている私立探偵の“タカの目”(ミシェル・セロー)は

金持ちの息子の婚約者の身元調査を担当したことにより

思わぬ方向へと導かれることになる。

婚約者の正体は、カトリーヌ・レリス(イザベル・アジャーニ)

名前を変えヨーロッパを駆け回り、その美貌を武器に金持ちの男を

誘惑しては殺害し、素早く姿を消してしまう。

これは、惨めだった少女時代の記憶から

逃れるために彼女の選んだ生き方であった。



探偵のミシェル・セローは、七変化するイザベル・アジャーニに

亡くした自分の娘の姿を重ね合わせるようになっていくんですね。

探偵業務そっちのけで、妄執的にイザベルの後を追いかけまわす。

イザベルは殺した男を殺しっぱなしにするもんだから

ミシェル・セローは、しょうがないな~って顔して

死体の後始末をするんですよね(笑) 子供の尻拭いをする父親かのように・・・・・

ちょっとコミカルに進んでいきながら、次第にフィルム・ノワールの様相を呈し・・・・



イザベルは、出会う男出会う男に、全く違う父親の思い出を語る。

盲目の建築家には、ムルナウの 『最後の人』 の主人公をまんま語りだす。

最後の最後に顔を合わせるまで、ミシェル・セローとイザベル・アジャーニが

直接絡むシーンはないんですけど、ミシェル・セローは亡き娘の幻影を

イザベル・アジャーニは亡き父親の幻影を一緒に追いかける・・・・・

それは、父親と娘の擬似親子による “道行(逃避行)” のようでもあります。

劇中、コソ泥役でブッサイクなオバさんが登場するんですが

ほんとブッサイクなんです(笑)あんまりブッサイクなもんで気づきませんでしたが

なんとなんと、ステファーヌ・オードランだった。

何回も、ブッサイク、ブッサイクって言ってごめんね(笑)





殺人は繰り返してはヨーロッパ中を転々とする女と、彼女を尾行する探偵の逃避行を描く。
死への逃避行〈デラックス・エディション〉 [DVD]/イザベル・アジャーニ,ミシェル・セロー,ギ・マルシャン

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