できごと | Untitled



できごと(’67)イギリス


原作:ニコラス・モスレーの同名小説

監督:ジョセフ・ロージー


赤狩りでハリウッドを追われ、活躍の場をヨーロッパに求めたアメリカ人ジョセフ・ロージー。

逆パターンは多いけれど、アメリカ人がヨーロッパで活躍する方が難しいのでは・・・・

そんなジョセフ・ロージーが、中年男のいやらしさを実に上手く突いた心理劇。



オックスフォード大学の哲学教授スティーブン(ダーク・ボガード)の自宅前で

突然急ブレーキの音がし、すさまじい衝突音が続いた。

乗車していたのは教え子のウィリアム(マイケル・ヨーク)とアンナ(ジャクリーヌ・ササール)

スティーブンが駆けつけた時、ウィリアムはすでに死んでいたが、アンナは放心状態。

家に連れ込み昏睡するアンナを凝視するスティーブンは

数ヶ月間の “できごと” を思い出していた・・・・。



クライマックスの “できごと(Accident)” を、どアタマに持ってきて

妄執中年男に、これまでの “できごと” を回想させていくという作り。

説明的な台詞を極力排除し、暗喩的な映像で心理的動きを表現して

フラッシュバックにさらにフラッシュバックを挿入させたり

女子学生に翻弄される大学教授という、ありがちな物語に深みを持たせています。

ダーク・ボガードがまた “哀しき中年男” を実に情けなく演じています(笑)



清純そうに見せておいて、あちこちにツバをつけ、実はしたたかな女アンナ。

若くして引退してしまったものだから、なかなか出演作に出会えなかったジャクリーヌ・ササール

クロード・シャブロル の 『女鹿』 で、何て綺麗な女優さんなんだろうと驚いたものです。

過去の回想シーンでは妖しいまなざしを男どもに送っていたけれど

事故の後、半ば意識が飛んで、お人形さんみたいに無機質な状態になってしまったのが印象的。


カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作


オックスフォード大学の哲学教授スティーブンは、留学生のアンナが恋人がありながら
同僚のチャーリーと交際していることを知り、彼女に対して何とも言えぬ独占欲と執着を覚え始め…。
できごと [DVD]/ダーク・ボガード,スタンリー・ベイカー,ジャクリーヌ・ササール

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