できごと(’67)
![イギリス](https://emoji.ameba.jp/img/user/ii/iinanihon/23087.gif)
原作:ニコラス・モスレーの同名小説
監督:ジョセフ・ロージー
赤狩りでハリウッドを追われ、活躍の場をヨーロッパに求めたアメリカ人ジョセフ・ロージー。
逆パターンは多いけれど、アメリカ人がヨーロッパで活躍する方が難しいのでは・・・・
そんなジョセフ・ロージーが、中年男のいやらしさを実に上手く突いた心理劇。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140527/14/pyscipks/b0/00/j/o0800060112954497151.jpg?caw=800)
オックスフォード大学の哲学教授スティーブン(ダーク・ボガード)の自宅前で
突然急ブレーキの音がし、すさまじい衝突音が続いた。
乗車していたのは教え子のウィリアム(マイケル・ヨーク)とアンナ(ジャクリーヌ・ササール)
スティーブンが駆けつけた時、ウィリアムはすでに死んでいたが、アンナは放心状態。
家に連れ込み昏睡するアンナを凝視するスティーブンは
数ヶ月間の “できごと” を思い出していた・・・・。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140527/14/pyscipks/36/ff/j/o0637034912954497150.jpg?caw=800)
クライマックスの “できごと(Accident)” を、どアタマに持ってきて
妄執中年男に、これまでの “できごと” を回想させていくという作り。
説明的な台詞を極力排除し、暗喩的な映像で心理的動きを表現して
フラッシュバックにさらにフラッシュバックを挿入させたり
女子学生に翻弄される大学教授という、ありがちな物語に深みを持たせています。
ダーク・ボガードがまた “哀しき中年男” を実に情けなく演じています(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140527/14/pyscipks/48/f2/j/o0634034412954497630.jpg?caw=800)
清純そうに見せておいて、あちこちにツバをつけ、実はしたたかな女アンナ。
若くして引退してしまったものだから、なかなか出演作に出会えなかったジャクリーヌ・ササール
クロード・シャブロル の 『女鹿』 で、何て綺麗な女優さんなんだろうと驚いたものです。
過去の回想シーンでは妖しいまなざしを男どもに送っていたけれど
事故の後、半ば意識が飛んで、お人形さんみたいに無機質な状態になってしまったのが印象的。
カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作
オックスフォード大学の哲学教授スティーブンは、留学生のアンナが恋人がありながら
同僚のチャーリーと交際していることを知り、彼女に対して何とも言えぬ独占欲と執着を覚え始め…。
できごと [DVD]/ダーク・ボガード,スタンリー・ベイカー,ジャクリーヌ・ササール
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