塀の中のジュリアス・シーザー | Untitled



塀の中のジュリアス・シーザー(’12)イタリア国旗


監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟


「ブルータス、お前もか」

この台詞を、刑務所の中でしかも実際に服役している囚人に言わせた

シェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」 in レビッビア刑務所



ローマ郊外にあるレビッビア刑務所では、囚人たちによる演劇実習が定期的に行われており

ある年、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」が演目に選ばれる。

オーディションでブルータスやシーザー、キャシアスなどの役が次々と決まっていき

本番に向けて刑務所の至るところで稽古が行われる。

すると囚人たちは次第に役と同化し、刑務所はローマ帝国の様相を呈していく。



囚人たちの多くは、殺人、麻薬密売などのマフィア絡みの組織犯罪での服役。

そんな実戦経験豊富な(?)男たちが、陰謀渦巻く古代ローマを舞台に

独裁者ジュリアス・シーザーの暗殺をめぐっての人間模様を演じるわけですから

そのリアリティさときたら・・・・ 目の奥が怖いっ。

そして、どこからが台詞で、どこからが自分自身の言葉なのか

次第に、虚と実の境界線があいまいになっていく・・・・・



役になりきり 「自由だ! 解放だ!」 と叫んでいる、その場所が

コンクリの壁に反響する塀の中というのも何とも皮肉めいているというか・・・・

本番に向けてのリハーサル風景がモノクロ。

本番の刑務所内の舞台がカラーという構成になっていて

招かれた観客からの拍手喝采を受けながら

彼らは再び鉄格子の中へ帰っていく・・・・・



ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作


本物の刑務所で実際の服役囚が演じる舞台 巨匠タヴィアーニ兄弟が創り上げたシェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」
塀の中のジュリアス・シーザー [DVD]/コジモ・レーガ,サルヴァトーレ・ストリアーノ,ジョヴァンニ・アルクーリ

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