欲望 | Untitled


欲望(’67)イギリスイタリア国旗


監督:ミケランジェロ・アントニオーニ


私にとって初アントニオーニだった、この作品。

以前観たときは、完全にお手上げ、撃沈してしまった。

今回、はりきってのリベンジ鑑賞だったのですが・・・・

やっぱり難しいですね。この映画。。。。。

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人気写真家トーマス(デビッド・へミングス)は、ある公園で逢引をしている

男と女を撮影する。写真を撮られた事に気づいた女(バネッサ・レッドグレーブ)は

ネガを譲ってくれと家まで押しかけるが、トーマスは別のネガを渡す。

ネガを現像し、更に違和感を感じた部分を引き伸ばし(Blow Up)してみると

そこには逢引をしていた男の死体らしきものが写っていた。

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この写真家は、商業的なファッション業界をどこか軽蔑している。

モデルたちを雑に扱い、当時世界最高峰とも言われたスーパーモデル

ヴェルーシュカの上にまたがり、さも男女の営みのようにカメラを構える。

撮影が終わると、余韻に浸るスーパーモデルを放ったらかし煙草ぷはっ~~~

この辺のくだりは何度見ても可笑しい。

最先端のポップアートを見せておきながら 「そのアートはどうなの?」

っていうアントニオーニの辛辣な視線も感じたりもして・・・・

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ジェフ・ベックとジミー・ペイジが同時参加したヤードバーズの貴重なライブシーンがあって

ジェフ・ベックがギターを壊し、残骸をファンが寄ってたかって奪い合う。

しかし、一歩ライブハイスから出ると、そのギターの残骸はゴミでしかない。

そう、そういうことなんですよ。 貴重なライブ映像と言われても

ジェフ・ベックとジミー・ペイジにそんなに思い入れのない私は、ふ~~~ん(笑)

芸術にしても人の価値観にしても、不確かなものなんだと・・・・

“Blow Up”した写真や、ラスト・シーンに象徴されるように

今見えているものは本当に真実なのか?

目に見えていないものが本当の真実なのでは・・・・

自分の作ったこの映画自体を、どうなのよ? 一芸術家である自分って、どうなのよ?

とアントニオーニが言っていそうな、不条理極まりない作品です。


カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞受賞作

→ ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品


イタリア映画3大巨匠の一人アントニオーニが、究極の不条理世界を描いた問題作。
随所に散りばめられた60年代ポップ・カルチャー、当時の各シーンに多大な影響を与えたスタイリッシュな映像美は必見!
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