O公爵夫人(’75)
原作:ハインリヒ・フォン・クライストの小説「O侯爵婦人」
監督:エリック・ロメール
ドイツの文豪クライストの小説を原文に忠実に映画化したという作品。
『グレースと公爵』 でもそうでしたけど、ロメールの文芸作品って
ヒロインがそんなに綺麗じゃないところがいい(笑)
リアリティがあるっていう意味ですよ。
イタリア北部のM市で奇妙な新聞広告が出た。
未亡人O侯爵夫人(エーディット・クレヴァー)が知らぬまに身ごもったので
父親に名乗り出て欲しいという内容である。この謎めいた事件の真相は……
数カ月前の戦争で、Mの要塞がロシア軍に陥落した。
司令官である大佐(ペーター・リューアー)の娘O侯爵夫人は
兵士達に襲われそうになったところを
ロシア軍の伯爵(ブルーノ・ガンツ)に助けられるのだったが・・・・。
昼は自然光、夜は蝋燭の明かりだけで撮影したという、まるで絵画のような映像。
キューブリックの 『バリーリンドン』 も同じように撮影されてましたけど
こちらの方が、より “絵画的” ようにも感じます。
淡い光が射し込むレースのカーテン、ゆらゆらとゆらめく蝋燭のともしび。
日中は光量を得るため、出来るだけ窓際に寄って撮影したなんていう苦労もあったとか
これだけ画面全体が美しい映像になっているのですから
主演女優の美貌で90分持たせようとしなくてもいいんです(しつこい?)
O侯爵夫人役のエーディット・クレヴァーはもちろん良かったですよ。
哀しみに打ちのめされても、気高く生きようとする姿は素敵でした。
そして、何よりビックリしたのが、まだ若くてシュっとしたブルーノ・ガンツ。
軍服のピタパンなんか履いて、ほっそりしてめっちゃ好青年なんです。
カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作
エリック・ロメール監督作品
独の文豪ハインリヒ・フォン・クライストの原作をエリック・ロメールが映画化。
とある街の新聞に、O侯爵夫人が身篭った子の父親に名乗り出るよう伝える広告が掲載された。
数日後、広告欄にはその回答が掲載されるが…。
O侯爵夫人/ハイルブロンのケートヒェン (エリック・ロメール コレクション)/エーディト・クレヴァー,ブルーノ・ガンツ,ペーター・リューア
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