黒い瞳 | Untitled



黒い瞳(’87)イタリア国旗


原作:アントン・チェーホフの短編小説「犬を連れた奥さん」

監督:ニキータ・ミハルコフ



「犬を連れた奥さん」をベースに、チェーホフの他の短編をミックスさせ

黒い瞳の女性に魅了された男の苦悩を歌ったロシア民謡「黒い瞳」を盛り込んだ

ニキータ・ミハルコフがイタリアに招かれて撮った作品です。

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アテネからイタリアへ向かう船の中。

初老の紳士パヴェル(フセヴォロド・ラリオーノフ)は

まだ準備中のレストランでイタリア男と知り合い意気投合する。

その男ロマーノ(マルチェロ・マストロヤンニ)は

新婚旅行中だというパヴェルに自分の恋の話を始めた。

小犬を連れたロシア女姓アンナ(エレナ・ソフォーノワ)と恋に落ちた話を

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映画鑑賞と併せて、原作の「犬を連れた奥さん」もじっくり読んでみましたが

原作(犬を連れた~)のイメージ通り描いていたのは明らかに

イオシフ・ヘイフィッツ監督の 「小犬を連れた貴婦人」

こっちの方は、イタリアとロシアを行ったり来たりしたり

色んなエピソードを取り入れ、ドラマチックにしようとするがあまり

少しとっ散らかってしまった印象は拭えませんが

ミハルコフ作品って、ちょっとダルいな~と思わせても

超ロングショットや、この一瞬しかありませんていうぐらいの

美しい朝焼けを見せたりして、心を掴まれてしまうんですよね。

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ロマーノとアンナが出逢った湯治場でのシーンにしても

真っ白なスーツに真っ白なドレス、そして白い子犬。

澱んだ現実から離れ、ほのかな恋心を抱き始めたイメージを

表しているかのようにも感じたりして。

マストロヤンニは、お得意の頼りないダメ男っぷり。

終盤の背中で泣いて、くるっと振り返り

道化に戻るシーンには、グッときた~


→ ニキータ・ミハルコフ監督作品


黒い瞳のロシア女性の魅力に取り憑かれたイタリア人男性の愛と苦悩を描いた作品。
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