三重スパイ(’03)
監督:エリック・ロメール
ロメールがスパイ映画・・・?
いやいや、題材が何であれロメールはロメールだった(笑)
幕間に挟まれるダイヤリーなんか、そうそうこれがなきゃ~
1,930年代のパリ。ギリシャ人の妻アルシノエ(カテリーナ・ディダスカロウ)
とともにロシアから亡命してきた白軍の将校フョードル(セルジュ・レンコ)は
現在は亡命ロシア人協会で働いていた。しかし、そんな夫婦のアパートの2階に
急進的な共産主義者の一家が引っ越してきたことから
フョードルは警戒を強める。一方、妻は夫の行動に次第に疑問を持ち始め
ある時その疑問を夫にぶつけてみるのだが・・・。
スパイ映画だからって、敵のアジトに忍び込んでとか
トム・クルーズみたいに天井から吊られるようなシーンもなく(笑)
ロメールお得意の洪水のような会話劇っ。
しかも、ナチスや共産主義ぐらいならまだしも白軍だの赤軍だの
右寄りだの左寄りだの、スペイン内戦、独ソ不可侵条約・・・・
と、政治的なワードが怒涛のように押し寄せてきて・・・・
でも、いいんです。わかんなくて(笑)
ただでさえややこしいい、二重、三重スパイなんですから。
わかんなくていいんです。というのは少し乱暴すぎますが
当時の政治的背景をさらっとでも入れておけば
微妙な駆け引きとかを更に感じ取れるかも。
そして何より、ロメールが描く1,930年代のパリ。
家具や衣装の色調が、当時カラーで撮ったらこんな感じですよ。
っていうような色合いで、映画全体を落ち着かせていたようにも
洪水のような会話劇の中であっても、画面の端に
さりげなく生けてある花が何気に綺麗だったりして。
エリック・ロメール監督作品
第二次大戦前夜のパリを舞台に、妻とともにロシアから亡命してきた男の運命を描いたサスペンス。
三重スパイ [DVD]/カテリーナ・ディダスカルー,セルジュ・レンコ,シリル・クレール
¥5,040
Amazon.co.jp