残菊物語(’39)
![日本](https://emoji.ameba.jp/img/user/ii/iinanihon/22279.gif)
原作 : 村松 梢風の同名小説
監督 : 溝口健二
だから “ミゾグチ” が好きなんだ・・・・そう強く感じさせてくれる作品。
クロサワ? オヅ? いや、やはり “ミゾグチ” だっ!!
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20120919/16/pyscipks/f7/03/j/o0420031512195917705.jpg?caw=800)
歌舞伎役者の二代目菊之助(花柳章太郎)は、周囲からは 「若旦那。若旦那。」
と、ちやほやされているものの、芸の未熟さゆえ陰口を叩かれている。
その様子を見かねた弟の子の乳母のお徳(森赫子)は
菊之助の身を思い敢えて彼に厳しい言葉を投げかける。
これを機に菊之助とお徳は次第に愛し合うようになるが、周囲がそれを許さない。
二人は駆け落ち同然で大阪に行ったのだが・・・・
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20120919/16/pyscipks/52/11/j/o0550036612195917703.jpg?caw=800)
この作品で確立されたと言われている
流れるようなワンシーン・ワンカットの長回し。
冒頭、歌舞伎の舞台裏の楽屋の1階から2階へ、そして舞台へ。
菊之助とお徳が歩く夏の夜の道。
少し斜め下からのアングルで、かなり長い長回し。
そして、主演2人をはじめ登場人物のアップがほとんどない。
常に、冷めた目線のような引きのカメラで捉えていている。
台詞を喋っている人間を敢えて画の中から外して
最後の方で、ポンと画の中に入れたりして、存在感を強調させている。
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20120919/16/pyscipks/f3/da/j/o0420028012195917704.jpg?caw=800)
物語の内容的には、メンロメロのメロドラマ。
2時間23分とやや長め、映像は古い、台詞は聞き取りづらい。
そんなマイナス要素を全く感じさせない作り。
お徳が袖で見守りながら菊之助が復活の舞台に立ったシーンは涙してしまったし
船乗り込みの先頭に立つ菊之助のラストシーンは、ほんと見事だった。
人間国宝にもなった花柳章太郎をはじめ、役者たちの
帯を締めたり、立ったり座ったり、といった立ち振る舞いのしなやかさが
作品の “気品” を高めていたようにも感じる。
![→](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/natu-basuke/619861.gif)
五代目・尾上菊五郎の養子である菊之助は、上滑りな人気に思い上がっていた。そんな彼の芸の拙さを指摘した弟の若い乳母・お徳に、菊五郎は愛情を抱き始めるが…。
残菊物語 [DVD]/花柳章太郎,森赫子,高田浩吉
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