未来を生きる君たちへ | Untitled



未来を生きる君たちへ(’10)デンマーク国旗スウェーデン


監督 : スサンネ・ビア


こんな爽やかな邦題つけといて、実は結構、残酷だったりする。

原題は 「復讐」   暴力と憎しみの連鎖について描いたこの作品

映倫は、邦題にもうるさく言ったほうがいいです(笑)

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

医師のアントン(ミカエル・パーシュブラント)は、アフリカの紛争地で人々の治療を行っている。

様々な患者の中には、妊婦の腹を切り裂く悪党“ビッグマン”の犠牲者もいた。

一方、アントンの息子エリアス(マークス・リーゴード)は、毎日学校で執拗なイジメにあっていた。

そこへ転校生のクリスチャン(ヴィリアム・ユンク・ニールセン)がやってきて

エリアスと仲良くなり、イジメっ子をボッコボコにする・・・・

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

アフリカのとある紛争地域とデンマークのとある学校

別の世界でありながら、実は同じ世界。暴力や憎しみは何も変わらない。

医師のアントンは、仕返ししてもキリがないと、暴力の連鎖を断ち切るよう訴えるのですが

クリスチャンがイジメっ子をボッコボコにしてしまったり

アントンと紛争地域のアフリカ人が、悪党のボスに怒りを爆発させるシーンを見たりすると

「よしっ」 と思ってしまってる自分がいるんですね・・・・・嫌だな自分。

人間の黒い部分を鋭く突いてきています。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

転校生のクリスチャン(右の子)の屈折した感じが良かったですね。いや、純粋すぎるのかな。

母親を亡くしたことを受け止められず、父親に怒りぶつける。

「誰とキスしてもいいけど、善悪を説教するな」

「ママは天国で安らかになんて冗談じゃない」

行き場のない怒りや憎しみが、暴力的行動へ・・・・

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

ラストは、落としどころを探して、ふわっと着地してしまったようにも感じます。

アントンに言われのない暴力をふるった、荒くれオッサンは、あの事件で黙っていないだろうし

きっと、アントンに額を地面に擦りつけさせ土下座させるぐらいはしただろうに・・・・

そういうのを見せずに、くつろぐ家族に美しい夕日を射しこませたりして

ちょっと、ぬるま湯に浸けた感じがした。



アカデミー賞外国語映画賞受賞作

→ アカデミー賞受賞作


デンマークとアフリカ、子供と大人。全く異なる二つの世界に根を張る暴力―。
憎しみを越えたその先へ 私たちは歩み出すことができるのだろうか?
未来を生きる君たちへ [DVD]/ミカエル・パーシュブラント,トリーネ・ディアホルム,ウルリッヒ・トムセン

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