愛怨峡 | Untitled




愛怨峡(’37)日本


監督は、溝口健二


長らくフィルムの所在の知れなかった幻の作品でしたが

個人のコレクターがたまたま所持していたために、晴れて観る事ができたという貴重な作品

昔は、フィルムをポイポイ捨てていたんですよね。 画もこれぐらいしかありませんでした。

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

トルストイの「復活」を下敷きにした作品で

温泉宿で若旦那の子を産んだ女中(山路ふみ子)が

里子に出した子を養うために女給をしたり、漫才のコンビを組んだりと

堕ちていく女を悲しくも描いています。



「あなたと一緒になれないなら死んでしまいたい・・・」

なんて言っていた山路ふみ子が若旦那と再会した時には

「私と遊ぼってのなら、遊んだっていいのよ」

「ねぇ、面白く遊びましょうよ」

相変わらず、溝口監督が描く “女” は怖い・・・・


溝口作品によく見られる、長回しのカメラワークも冴えていました。


「グレたものはグレたもの同士、苦労した者だけが知ってる情けがあるのよ」


人情味も感じる作品でもありました。



→ 溝口健二監督作品



温泉宿で若主人の子供を生んだ女中が、里子に出した子供を養うために女給をしたり、漫才コンビを組むなどして奮闘する姿を情緒あふれる映像で綴る。
愛怨峡 [DVD]/山路ふみ子,清水将夫,河津清三郎

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