イノセント(’76)
原作は、ガブリエーレ・ダヌンツィオの長編小説 「罪なき者」
監督は、今作が遺作となった、ルキノ・ヴィスコンティ
冒頭、ヴィスコンティ自身が原作の本をめくるというシーンから始まり
赤を基調とした衣装やセットが目を引く、貴族たちの音楽会で幕を開けます。
19世紀のローマを舞台としたヴィスコンティお得意の
絢爛豪華な “貴族映画” ですが、語り口が優しい気がしました。
でも、話が進むにつれ、ドッロドロになってきましたが(笑)
浮気三昧の裕福な貴族トゥリオ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)
それを容認しながらも苦悩する従順な妻ジュリアーナ(ラウラ・アントネッリ)
トゥリオが浮気相手と旅行に行っている間
トゥリオの弟が有名作家フィリッポをジュリアーナに紹介する。
苦悩するこの人妻の姿は、かえって女性としての魅力を引き立たせた。
「女性に対してこんなに激しい気持ちになったのは初めてだ」
浮気相手への想いを、自分の妻に告白するという、エゴの塊のような男
しかし、妻の変化に気づいて嫉妬に狂う。
こういうことしてるから、「ハンニバル」で
アンソニー・ホプキンスに、はらわたえぐられるんですよ(笑)
序盤の音楽会では、紫のドレスを身にまとっていたジュリアーナ
別荘に赴いた時には、白を基調としたドレス
彼女の清潔さ貞淑さが更に強調されているように思えましたが
満たされぬ想いから解放され、そして爆発します。
彼女の姿は、絵画の裸体にように美しい。
ヴィスコンティの “エロティズム” 溢れる映像
ちょっと意外な感じでビックリ、遺作で持ってきたか・・・・
と同時に、ドキドキするぐらいの官能美
ルキノ・ヴィスコンティ監督作品
常に社交界にスキャンダラスな話題を振りまくトゥリオ伯爵は、未亡人の公爵夫人に夢中になるが、ないがしろにされた妻ジュリアーナは作家フィリポと出会い・・・
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