5時から7時までのクレオ(’62)
監督は、 『幸福(しあわせ)』 の、アニエス・ヴァルダ
『幸福(しあわせ)』 では、かつてない衝撃を受けましたが
今作は、そのひとつ前に作られた作品
自分が癌ではないかという疑いをもつシャンソン歌手クレオ(コリンヌ・マルシャン)
検査結果が出る前の “5時” から “7時” までの心の動きを
ほぼ時間通りに描いた実験的作品
ほぼ実際の時間の流れに従いながら、クレオの心理や行動を共にすることになります。
「5時3分から5時10分のクレオ」
というような、サブタイトルが次々と出され
様々な人と出会うこの2時間で、彼女は物事を別の視点から見ることを学んでいきます。
現在だと、それほど真新しいわけではないですけど
当時は、斬新すぎる手法だったのではないでしょうか。
お気に入りのシーンがあって
「何時から何時のクレオ」 だったか忘れてしまいましたが
クレオがパリの街をさまよいながら、様々な人の表情が
短いカットで映し出されるところ。
不安にかられながらも、クレオは色んな人に触れている。
そうそう、この作品には色んな人がカメオ出演していて
ミシェル・ルグランが作曲家の友人として登場して歌ってくれたり。
結婚したばかりのジャン=リュック・ゴダール監督と
アンナ・カリーナが劇中のサイレント映画に登場して
キスまでしてくれました。
何時から何時まで・・・と時間を区切っていますけど
こういう、なんてことない時の積み重ね、日々の積み重ねが
素敵な人生を生み出すのかもしれません。
自らがガンではないかと不安を抱くシャンソン歌手・クレオは、診断結果が出る7時まで、街で時間潰しをすることにする。
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