暗殺の森(’70)
原作は、アルベルト・モラヴィアの小説 「孤独な青年」
監督は、ベルナルド・ベルトルッチ
ベルトルッチ作品の中で “最高傑作” との呼び声高いこの作品
美しすぎる・・・・・
ファシスト支配下のローマとパリが舞台
過去の罪にさいなまれながらファシズムに傾倒していく男
マルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)の孤独と退廃を官能的に描いています。
「光で書く」 との本人の言葉通り
名カメラマン、ヴィットリオ・ストラーロの映像美
マルチェロが、フィアンセのジュリア(ステファニア・サンドレッリ)の
アパルトメントを訪ねたときの 光 と 影
“光で書かれた” 映像の中で2人は口づけを交す。
すべて計算されつくした美しさのようです。
映像美を更に美しさせたのが
ドミニク・サンダ
当時、弱冠19歳!
最初は、パンツスタイルにくわえ煙草でスカした感じ
それがまた格好いい。
そして、ステファニア・サンドレッリとの
レズビアン的な香りも漂うダンスシーン
スカしたパンツスタイルからイブニングドレスに身にまとい
どこまでも官能的に・・・
どこまでも退廃的に・・・
デカダンスを体現しています。
前半部分の、マルチェロの父が入っている無機質な精神病院とは対照的に
ダンスシーンは、色彩豊かな映像となっています。
あ~ ため息しか出ない・・・・・
映画史に残る名シーンでしょう。
かと思ったら、エッフェル塔をバックにした、青白いパリ
この青白さが、その先の、真っ白い雪に覆われた森での暗殺シーン
へとつながっていくのですね。
さて、こんな傑作なのに、DVDは廃盤
中古では、万単位の値が付いているみたい。
ベルナルド・ベルトルッチ監督作品
ファシスト支配下のローマとパリ。若き哲学講師マルチェロは、13歳のとき、同性愛者に犯されそうになり彼を射殺してしまう。このトラウマから逃れるためにファシストとなった。
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