歌麿をめぐる五人の女 | Untitled





歌麿をめぐる五人の女(’46)日本


原作は、邦枝完二の時代小説

監督は、溝口健二


溝口作品の中では、パッとしない作品と言われているらしいですが

いやいや、そこそこの監督の代表作なんかより、完成度の高い作品だと思いますよ。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

江戸の天才浮世絵師、喜多川歌麿(坂東蓑助)の周辺にいた女性たちの愛憎劇

五人の女が、歌麿を取り合うのかと思ったら

歌麿の周りで、惚れたはれたと騒いでいる女たちを歌麿が見守るといった構図

歌麿は絵のことしか頭にない。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

女郎(飯塚敏子)の肌に惚れ込んで、背中に筆を入れるシーンなんかは

谷崎潤一郎の 『刺青』 を思わせる。

前々から、分かっていたことですが、溝口監督に、 “女” を描かせたら

どこまでも美しく描きます。 全編通して “艶っぽい” です。

高い身分を捨て、愛する男をを追いかけてきた雪江(大原英子)が

悲しみに打ちひしがれるシーン

移動撮影でワンシーンが長く、ぐいっと入り込んでしまいます。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

やはり、この人の存在感は群を抜いていました。

田中絹代

女郎(飯塚敏子)と駆け落ちした銀座の若旦那を追いかけ

愛を貫くために衝撃的な行動をとるわけですが

クライマックスも長いワンシーン

「自分の心を偽らず、正直な恋を添い遂げようとすると、こうしなきゃならなかった・・・・」

「自分を騙して、程よい恋や、損得ずくの恋なんてできるものか!」

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

「恋なんて、こんなものかねぇ・・・・・」


私にもわかりません(笑)



→ 溝口健二監督作品



娘おきたは浮世絵師の歌麿に描いてもらい江戸中の評判になったが、問題行動を次々起こし歌麿を悩ませていた…。
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