二十四時間の情事(’59)
原作は、マルグリット・デュラス
監督は、アラン・レネ
原題は 「ヒロシマ・モナムール」
外部からやってきたフランス人という存在が、原爆をどこまで知ることができるのか?
原爆投下からちょうど14年目(1,959年8月6日)の “ヒロシマ” が舞台
暗がりで抱き合う2人の裸体
「君は “ヒロシマ” で何も見ていない。なにも」
「私はすべてを見たわ」
フランス人の女優(エマニュエル・リヴァ)と、建築技師の日本人(岡田英次)
一夜限りの情交をもつ。 2人の役名はありません、名もなき男と女
オープニングでモノローグのように続く2人の会話。
会話にかぶさる衝撃的な映像、病院の被爆患者、原爆投下直後のニュース映像など
広島の原爆被害の惨状を訴える映像シーンが続きます。
2人とも第二次世界大戦による悲劇的な体験をしていた
男は米軍の原爆投下によって家族を失っており、女はフランスのヌヴェールという地で
ナチス将校と恋仲だったが戦後、周囲から迫害を受け
頭を丸められ地下室へ幽閉された過去を持っていた。
女は、そういった過去と、この日本人男性と “ヒロシマ” とを重ね合わせていた。
最初のシーンで、もっと言ったら最初の数秒で、この映画好きだ! ってなりました。
フランス×ヒロシマ がなんとも言えない雰囲気を醸し出しています。
川沿いのカフェバーでたたずむ2人、川に映るネオン
ヌヴェールの街とヒロシマの街が交差する。
女の記憶も交差する。
戦争の痛み、愛の傷み・・・・
忘れたい記憶・・・・
そして、そこからの再生・・・・
「私はあなたのことを忘れるわ。もう忘れてしまったわ。」
「私が忘れていくのを見て。私を見て……」
美しい詩的映像でした。
フランス人の女優が広島を訪れる。広島を舞台にした映画の撮影のため。その滞在の間に、建築家と名乗る男と知り合い一夜をともにする。
二十四時間の情事 [DVD]/エマニュエル・リヴァ,岡田英次
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