レバノン(’09)
監督は、サミュエル・マオス
1,982年のイスラエルによるレバノン侵攻の際、実際にイスラエル軍の1人として参加した
サミュエル・マオズ監督が、自らの体験を元にした戦争ドラマ
ドラマが繰り広げられるのは、レバノン領内へと侵攻していくイスラエル軍の1台の戦車の中
中には4人の兵士。 “映画史上最も狭い密室劇” かも?
観ていても息苦しくなってきます。
と言うより “生き苦しい” という書き方が合っているような気がします。
そして外の光景は “スコープ” 越しに見えるもののみ
砲撃手視点での映像が、ひたすら続きます。
スコープを左右に動かす無機質な音が妙にリアルで、緊張感が伝わってきます。
でも、ズームを変える音が ポコッ て音がするんです。
私には、とてもコミカルに聞こえてしまったのですが
そのコミカルな音とは対照的に、外では惨劇が繰り広げられていくんですよね。
味方の兵士が死んでしまって、搬送ヘリが到着するまで亡骸をいったん戦車の中に運ぶんです。
ややしばらく亡骸と顔を見合わせなければならない。
無事、亡骸をヘリに搬送したと思ったら、今度は敵側の捕虜を戦車の中で隔離することに
隔離といっても、兵士のすぐそばにくくりつけとくんですけどね。
ただでさえ狭い密室なのに、これだけで精神のバランスが崩れてしまいます。
あ、今思い出しました。 “映画史上最も狭い密室劇”
コリン・ファレル主演の公衆電話の中に閉じ込められる 『フォーン・ブース』
でもあれは、結構外に出てましたからね(笑)
“戦車の中での密室劇” “スコープ越しの悲劇”
このアイディアでの金獅子賞受賞だったか?
でも戦争の悲劇を伝えるのに、アイディア勝利と言われても
作ったほうは嬉しくないでしょうけど。
ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作
ベネチア国際映画祭受賞作
レバノン戦争の最初の1日を戦車の中から捉える。生々しい戦場の光景を安全な戦車内からスコープ越しに見る4人の兵士。しかし戦車も対戦車弾に直撃され、彼らは敵中で孤立してしまう。
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