天井桟敷の人々 | Untitled





天井桟敷の人々(’45)フランス国旗


監督は、マルセル・カルネ


フランス映画の金字塔


この言葉が決して大げさではないことが、わかりました。

だから、フランス映画が好きなんだ

そう感じさせてくれる映画でした。


「天井桟敷」とは、一番安い値段で芝居が見られる席のことを指します。

1,840年のパリ、通称 “犯罪大通り” と呼ばれる歓楽街

数多く立ち並ぶ、とある芝居小屋での人間模様

この “天井桟敷の人々” をはじめ、観客たち、舞台の上の役者たちの人間らしい温かさを感じます。

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“天井桟敷の人々” が、大騒ぎしていたら下の席の観客が

「うるさい! 無言劇が聞こえんだろ」

ちょっと笑ってしまいました。


その無言劇のパントマイム役者、ジャン・ルイ・バロー(下の画像)の魅力にに引き込まれた。

役者仲間のピエール・ブラッスールが


「君は無言で話すことができる。脚で語り、手で答える。それだけで天井座敷を沸かせる」


それに対し、ジャン・ルイ・バローが


「貧しい人たちだが、私も同じだから通じ合う。大きな夢を持ってる人たちだ

彼らを笑わせるだけでなく、感動させたい」



もう、そういう想いが伝わってくるんです。

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無言劇の中で、居眠りをしてしまう場面で

ゆらゆらと、ゆらめくように浅い眠りに入ってしまうのですが、

その体のしなやかさ、まどろみかた・・・・

そして、愛に破れて自殺しようと縄を手に取るのですが

そこへ、少女(画像上)がやってきて、縄を貸してほしいとせがむんです。

少女は、その縄でくるくる回りながら縄跳びするんですよね。

次にやって来た女性には、縄を持たされて洗濯物を干されたり。

温かいんですよね。

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この作品、素敵な台詞がたくさんあって、ジャン・ルイ・バローが一目ぼれした

アルレッティ(画像上)と再会した時


「ああ、すばらしい・・・」

「何がすばらしい?」

「何もかも・・・人生が・・・・」


そのアルレッティに、ピエール・ブラッスールが口説くシーンでは


「いつ会える?」

「近いうちに、縁があればね」

「しかし君、パリは広いよ」

「好いた同士には、パリも狭いわ」


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他にも・・・・

「哲学者は死を考え、美しい女性は恋を想う」

なんて、さらっと言っちゃうんですよね。


そんな中、ジャン・ルイ・バローへ想いを寄せているマリア・カザレス(画像上)が

彼が、バラの花、一輪持っているのを見て、女だ! と、察知するんです。

顔色が変わるんです。

モノクロ映画で、顔色が変わる、というのも変ですが(笑) 

その表情が、女の厳しさ、哀しさを垣間見たシーンでした。

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この作品、ドイツ軍占領下で製作され

製作期間3年3ヵ月、製作費16億円は、当時としては破格の規模

1,800人のエキストラを動員した群衆シーン

フランス映画の底力を感じます。


※参考 Wikipedia



ドイツ占領下の時代にフランス屈指の映画人たちが壮大なセットと夥しいエキストラを動員して作り上げた超大作。
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