ヒトラーの贋札（’０７）
監督は、シュテファン・ルツォヴィツキー
第二次世界大戦のさなか、ドイツ政府がイギリスの経済かく乱を狙い、画策した史上最大の紙幣贋造事件
「ベルンハルト作戦」に関わった、ユダヤ人印刷工アドルフ・ブルガーの証言に基づいて制作された。
キャッチコピーは 「完璧な贋札。それは俺たちの命を救うのか。それとも奪うのか」
恥ずかしながら、贋札（にせさつ）って読めませんでした・・・。
私の国語力は置いといて、この贋札造り、従事させられたのがユダヤ人ということで様々な軋轢や苦悩が
浮き彫りとなってくる。
その光景を、手持ちカメラでリアルに映し出していて、手ブレが映し出している人たちの心の揺れのように見えてくる。
贋札造りのプロ役の、カール・マルコヴィックス。頬のこけ具合、貧乏臭く煙草を吸う姿が魅力的
『戦場のピアニスト』 『活きる』 でもそうでしたが、混沌とした戦争の最中で、芸は身を助ける
のですが、今回ばかりは、その芸を如何なく発揮すると、ナチスに貢献してしまうことになってしまう。
ポンド札の偽造は成功・・・いや偽造してしまい、スイス銀行も、そしてイングランド銀行の目も欺いてしまう。
次は、ドル札だ！！
紙幣贋造チームは、食事や柔らかいベッドなど待遇はとても良かったのだが、贋札造りが出来ないと
当然、死が待っている。
生き延びるために仕事を遂行しよう、と言う者もいれば、正義を貫こうと言う者もいる。
自分が死ぬか、仲間が死ぬか、同胞を苦しめるか、との究極の選択に苦しむユダヤ人たちの心情を、
ギリギリ感たっぷりに描かれている。
彼らの施設の、板1枚挟んだ向こう側は、本来の収容所で、その迫害を悲鳴、銃声、嗚咽と音だけだったのが
この作品の中で1番恐ろしいシーンだった。
アカデミー賞外国語映画賞受賞作
アカデミー賞受賞作※参考 Wikipedia
ナチス・ドイツによる史上最大の贋札事件「ベルンハルト作戦」
この驚くべき歴史的事件に隠された、ユダヤ人技術者たちの正義をかけた闘いの物語
ヒトラーの贋札 [DVD]/カール・マルコヴィクス,アウグスト・ディール,デーヴィト・シュトリーゾフ
￥3,990
Amazon.co.jp