道 | Untitled


道(’54)イタリア国旗


監督は、フェデリコ・フェリーニ

ザンパノ : アンソニー・クイン(イタリア語のZampaは悪の意味。悪漢の象徴)

ジェルソミーナ : ジュリエッタ・マシーナ(Gelsomina:イタリア語でジャスミンの意。花の名前、純粋さの象徴)

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涙が止まらなかった。

ただ、何に対して涙してるのだろう。

純真無垢な女のジェルソミーナに対してか・・・・

荒くれ男の大道芸人ザンパノに対してか・・・・

それとも、無常な世の中に対してなのか・・・・


大道芸人ザンパノが、海辺の貧しい家を訪れた。

以前、彼はこの家の長女を奴隷同然の相棒として母親から金で買っていたのだが、彼女が死んでしまったため、

二女のジェルソミーナを買いにきたのだった。

ジェルソミーナは少し頭が足りないし、お世辞にも美人とはいえないが、優しい娘。

幼い弟たちを食べさせ、母に少しでも楽をさせようと、ザンパノに買われてゆく。

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ザンバノは最初の説明のとおり、悪漢の象徴として描かれ、どういようもない男だが、私は、全てを憎めない。

むしろ共感してしまう部分があったりする。

共感というのは言い過ぎなのかもしれないが、私も悪漢なのか・・・・・・

きっと誰にでも持っている 『悪』 を、彼が少しだけオープンに表現しているだけに過ぎないのかもしれない。

彼の行いを全面否定するのは、自分の中の 『悪』 の存在を認めたくないだけなのか。

フェリーニ監督は、人間の奥底を巧く突いてくるものだ。

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1番好きなシーンは、やはり 『小石』 の話です。

自分の存在価値を見出せないジェルソミーナに対し、綱渡り芸人が


『この世の中にあるものは何かの役に立つんだ』

『例えばこの石だ』

『こんな小石でも何かの役に立っている』

『どんな?』

『俺なんかに聞いてもわからんよ』


知らんのかいっ(笑)

でも、気休め程度に小石の貢献度を語られるより、よほど説得力がありました。

そして、こう言います。


『これが無益なら全て無益だ』


$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!-みち

尼さんの、神様と2人で旅をする話も良かったです。


ジェルソミーナについて、あまり語ってませんが、初見で彼女に関しては簡単に語れないです。

ひとつ言えるのは 『少し知恵遅れで純真無垢な女性』 だけで、くくれるものではないと思います。

多分、死ぬまでに10回以上は観る映画になると思うので、次回観たときは感じ方がガラッと変わるかもしれません。


特典映像として、淀川長治さんの解説がありました。

『こんな静かな、こんな怖い人間というものを描いた素晴らしい映画だ』



『名作』 と呼ばれる映画には 『名曲』 がついてくるんですね。

音楽は、ゴッドファーザーなどでも担当した、ニーノ・ロータ

どこか耳覚えのあるこの曲・・・・・・それも最近・・・・・

それもそのはずです。

バンクーバー五輪でフィギュアスケートの高橋大輔選手がこの曲を採用してたんですよ。


Nino Rota - La strada




アカデミー賞外国語映画賞受賞作

→ アカデミー賞受賞作



大道芸人が白痴の女を奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続けるが・・・
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