長江哀歌(’06)
現在、開催されている 『ベネチア国際映画祭』 金獅子賞受賞作です。
ベネチア国際映画祭受賞作一覧
監督は、ジャ・ジャンクー
蛇足ですけど、配給が 『オフィス北野』 でした。
長江の三峡ダム建設計画は'19年孫文の時代からの中国指導者の悲願
建設反対、批判にさらされ、文化大革命などで中断を余儀なくされながらも'94年ついに工事は着工開始。
それにより130万人もの住民が移住を強いられることになった。
'09年に完成したこのダムは高さ180メートル、幅2,5キロ。貯水容量・発電能力ともに世界最大
三峡ダム建設によって、水没していく運命にある古都・奉節(フォンジェ)を舞台にした二人の男女の物語
ダム建設に対して批判的に描いているわけではなく、奉節の人たちに寄り添うように描かれてます。
川の流れそのままのようにゆったりとした演出
人の心も緩やかに流れ漂い続ける。
これが、心地よい睡魔を呼び起こすとは・・・・
危ない、危ない・・・
それほど、静かに淡々と物語は進んでいきます。
終盤からラストにかけては好きですね。
程良い、ほったらし感が(笑)
いや、そうなんです。奉節が、中国が、世界が、どう変わろうと人々の人生は続いていく。
雄大な長江をバックに、そんなことを考えていたら何か心が洗われたようです。
ただですねぇ・・・ちょっと言っていいですか。
金獅子賞を受賞した、ベネチア国際映画祭で今作品は、上映まで一切作品名を明かされず、
最後の最後にサプライズ上映という異例の形でコンペティションに招待されたそうです。
そして審査員を絶賛させ見事、金獅子賞受賞となりました。
ちょっとズルくないですか。
サプライズを受ければ、目の肥えた審査員も心が動くでしょ。
合コンにわざと遅れて目立とうとするヤツみたい。
もちろん賞を獲ってもおかしくない、とてもいい映画だけに、こういう話を聞くと残念です。
横一線で審査していただきたいものです。
大河・長江の景勝の地、三峡。
舞台はそのほとり、二千年の歴史を持ちながら、ダム建設によって伝統や文化も、記憶や時間も水没していく運命にある古都。
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