ブリキの太鼓 | Untitled


非常にトリッキーな映画でした。



ブリキの太鼓(’79)西ドイツ、フランス、ポーランド、ユーゴスラヴィア


ドイツ文学を代表されると言われている、ギュンター・グラスの同名小説を

フォルカー・シュレンドルフ監督が映画化

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!-ブリキ

舞台はポーランドのダンツィヒという街。

ナチス台頭に揺れるヨーロッパを描いています。

オスカル少年は、母、父、そして母は、その従兄弟と関係があったことから、

父親2人に見守られながら、生を受ける。

オスカルは、3歳の誕生日に、母にかねて約束していたブリキの太鼓を買ってもらう。

同時に、大人の醜い世界に嫌気がさしていたので、自ら成長を止めようと決心する。


エモーショナルな感じかと思ったら、露骨なほどの性描写があったり

魚を生のまま頭からかぶりついてしまうようなグロテスクな描写があったり、正直、私は戸惑った。

児童ポルノに引っかかるとのことで、アメリカのいくつかの州で上映禁止になったらしい。

昨日も、R-18 だったので、「またぁ~」 というのが正直なところだった。

反戦映画なんだろうけど、ホラー? エロ・グロ? はたまたコメディ?

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!-ブルキ

そんなことを思いながらも印象的なシーンがいくつかありまして

まず、オスカルがこの世に誕生するシーン

お母さんの中?が映し出されます。

この世に出てきた瞬間、オスカルの語り

「僕が見たこの世の最初の光は60ワットの電球だった」

「ブリキの太鼓をくれるという母の声を聞いて、

本来なら胎内に戻ろうとしていた、僕の思いを変えた」

本来なら戻るんだ(笑)

こういう、程よい毒が効いてて面白い。

原作は相当、毒舌らしい。


それと、ナチスの集会にもぐりこんだオスカルが隠れて太鼓を叩くと

軍歌の調子が狂って、みんなが手に手をとってワルツを踊り出すんです。

好きだな、このシーン。

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!-ブリキ

この映画、相当深いと思います。

観る側も、受け止める力量を要求されるような気がします。

私は、エロ・グロタッチに翻弄されて、この映画の良さの10分の1も味わえなかったかも・・・・


ただ、今回は、これだけ味わえれば充分かな? とも思ってます。


また数年後、観てみたい。

そして、その時、自分がどう感じるか楽しみ。

こう思わせるということは、この映画は名作なのかもしれない。





さまざまな民族が混在する港湾都市ダンツィヒ。二人の男と一人の女の間に生まれた少年オスカルは、大人たちの醜い世界に嫌気がさして、3歳の誕生日に自らの成長を止める決心をする。
アカデミー外国語映画賞、カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞受賞作
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