【鳩山会見詳報(6)】(26日午後)

 --日本の厳しい財政状況について、金利市場などから懸念の声があるが、昨年の衆院選マニフェストをそのまま実施しようとすれば、さらに状況が悪化する可能性は否定できない。政権公約と財政規律のどちらかを優先する場合、どうするか。マニフェストを見直す場合、どう有権者を納得させるか

 「ありがとうございます。私どもは、昨年の選挙において、民主党としてマニフェストをお示しをしたと。当然、そのマニフェストの実現に向けて、政権を取ったわけですから、全力を傾注しているところでございます。一方でこれもご承知の通り、大変財政は厳しいという状況が変わりませんし、さらに厳しくなってきていることもおわかりの通りでございます」

 「従いまして、私どもとしては、これは当然マニフェストは党が作るものでございますが、党の中にマニフェストの検討委員会をつくらせていただきました。そして、その中でこれから議論を進めてまいりたいと思います。国民のみなさま方にもマニフェスト、これは公約なんだからそのまま実現されるべきだと主張される方と、いや、これはマニフェストもわかるけれども、財政の厳しさも理解している。従って、マニフェストというものに対しては、それなりの修正というものもあってもしかるべきだと。その両論があろうかと思っております。国民のみなさんのご意見というものは大変貴重だと思っておりますが、そういった貴重なご意見というものも踏まえながら、これから検討委員会で検討を進めてまいりたいと思っております」

 「マニフェストはですから、基本的にそれが満たされるように全力を尽くしていきながら、しかしやはり財政の厳しさ、これ以上、例えば赤字国債というものを大きくさらに発行させてしまうという状況は、できる限り控えなければならないという、その、これは特に菅(直人)財務大臣などを中心にその声も大変高まってきております。そのバランスを考えていきながら、できる限りマニフェストの実現に向けて、財政のあり方というものを考えてまいりたいと。今、そのスタートラインに立った、すなわち、マニフェストの検証から新たな参院選に向けてのマニフェストの作成というもののスタートが切られようとしていると。ご理解を願えればと思います」

 --歴代の首相ができなかった会見のオープン化に敬意を表す。他の省庁では、会見がオープンになっているところとそうでないところがあり、閣内不一致の様相を呈している。鳩山内閣としては今後、各省庁の記者会見をどうするのか。特に検察庁と官房長官の会見が開いていないが

 「閣内不一致の記者会見のあり方ではないかというおたずねでありますが、それぞれの大臣にそれぞれの理由があって基本的にはオープンにしたいけども、必ずしも事の性格上オープンにできないとか、あるいは会見場の狭さ広さということもあるいはあるのかもしれません。ただ、やはり私が、総理大臣が記者会見をオープンにしていくわけでありますから、すべての大臣に対して、私は開きましたよということは申し上げて、閣内不一致といわれないように、むしろこの情報の公開、国民に開かれた内閣の姿を示す必要があろうかと思っておりますので、統一を目指して、今おたずねがありましたので、私の方から申してまいりたいと思っております」

 --財政再建をどう進めていくのか。年金・社会保障、財政再建の与野党協議をどういうタイミングで働きかけていくのか

 「ありがとうございます。財政が厳しいと。一方で、経済も厳しいと。従って、特に北海道も含めてではありますが、地域経済を活性化させるために財政というものをもっと活用すべきという声もいまだ強く内閣の中にあることもおわかりかと思います。しかし、やはりそうはいっても、社会保障費は、年々1兆円というか、医療費なども大変な勢いで伸びているところでございまして、そのことを考えればやはり財政の規律というものが完全に失われてしまうと、国債に大変大きな暴落というか、変更、変化を与えてしまいかねません。従いまして、私としても、菅財務大臣が、これは、自民党の林芳正議員などが中心となってつくっておられる財政健全化法に類するようなものを政府としてもつくるべきではないかという考え方に、基本的に同調をいたしております」

 「すなわち6月には、私ども中期財政フレームをつくりあげてまいります。財政運営化、財政に対してしっかりとした運営戦略を作り上げていかなければならないとそのようにも思っております。そういう中で、それを法的に担保するというぐらいの覚悟が必要なのではないかと思っております。そのような時には、これはある意味で与野党をこえた協力というものが、あるいは協議というものが必要ではないかとも思っております。ただ、くどいようですが、まずは政府の考え方というものを最初に示す努力をすることが大事だと思っておりまして、そのような政府の努力の中で与野党で協議をしていくことも、将来的にあるいは必要になってくるのではないかと考えております。従いまして、時間的な軸で申し上げれば、6月というものがひとつのメドになりますから、その前後に今申しあげたような行動というものが求められてくる可能性があろうかと思っております」

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