【in the Dark】#28 青天の霹靂 | 笑顔な自分の続け方〜香りと色の癒し処 ふわりあん@函館〜

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仕事や家事,育児などに忙しい女性の心と体を癒し
明るく元気に前を向いて歩けるようにと願い
北海道函館市の自宅でアロマトリートメントや
TCカラーセラピー,手相リーディングなどを行っています。

おばんでした星空

相方が飲み会で遅い日に限って、お腹が張る&息子がやたら騒ぐの、どうにかしたい今日この頃の私。
お腹の子は元気で、何よりです照れ


さて、それでは今夜も【in the Dark】
第28話が始まります!

リキュール直前の記事はこちらリキュール


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#28 青天の霹靂

飲み会帰りで泥酔寸前の状態から、だんだん酔いが覚めかけてきたあたりで、実家の母から『話がある』と言われ、とりあえずソファに腰かけた私。

母の話の要旨としては、こんな感じ。 


父が、今の仕事場で、数年前と同じ過ちを犯した。
もちろん、クビになる。

さらに、実家のローンの度重なる滞納により、土地も家も差押をかけられることになり、もはやこの家に住み続けることはできない。

仕事場からちょろまかして使い込んだお金は、生活費ではなく、父自身の趣味や遊びに使われており、母もどこにそんなお金があるのか不思議に感じつつ、何も突っ込めなかったらしい。

同じことを繰り返し、家庭を根本から揺るがしたばかりか、住む場所さえも奪った父と、家族として一緒に暮らすことは不可能だから、離婚する。

父がまだ帰ってきていないのは、おそらく、仕事場の人と話をつけている最中なのだと思うが…

もしかしたら、もう帰って来ないかもしれない。
死にたいって言ってたから。


『…そうなんだ〜』

ここまで聞いた瞬間はまだ、現実味がなくて…
だいたい酔ってるし、眠いし。
だから、軽い調子でこう言いました。

『どうする?私ちょうど4月に異動だからさ、宿舎でよければ一緒に住む?』

函館に戻るのが決まったとき、いずれにしろ実家ではなく、一人暮らしを継続するつもりで、宿舎を借りることにしていました。

ただ、母も一緒となると、もう少し広い部屋に変えてもらわなきゃなぁ…
となると、職場にこの事情を話さなきゃいけないのか…?

『私、来週、宿舎担当の人に相談してみるわ』

母はパート勤めで、一人でアパートを借りるのは難しいし、どっちみちこの家は差し押さえられ、2〜3ヶ月後には明け渡さなければならない。

なら、いつまでかはわからないけど、とりあえず母とは一緒に住むしかない。
選択肢は、実質的にひとつだけでした。

『てかさ、あれ?おとん、死にたいとかマジで言ってたの?』

回らない頭で必死に考えながらも、なるべく深刻にならないようにと思い、軽い口調で話す私。

『そんな簡単に死なないでしょ、あの人』

とは言いながらも、100のうち10%くらいは、もしかしたら、今回ばかりは本当に生きて帰ってこないかもな…と思ったり。

なんせ、まだまだ脳内が酒漬けだったので、もし本当に死んでたとしたら、葬式とかどーすんだろ、こんな状態で大々的には出せないよな…なんて考えてみたり。

そこへ、玄関のドアを開ける音がしました。

…渦中の、父でした。



第29話つづく〜