息子が、昨日のランチ会でいただいたカリカリのスティックパンにご執心で、おみやげにいただいた分を完食しました。
1歳半にして、既に舌が肥えてます(笑)
それでは、今夜からまた【in the Dark】第26話をお送りします。
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#26 初めての一人暮らし
就職3年目。
初めて、一人暮らしをすることになりました。
函館からは車で1時間弱の町、なんなら実家から通うこともできたんですが、せっかくなので、一人暮らしを始めることにしたんです。
ただ、当たった宿舎は一人では持て余すほどに広くて(たまたま世帯用の3LDKしか空いてなかった)、頻繁に実家に帰ったり、それ以上に頻繁に通ったのがダーの部屋。
ほぼ毎日のようにお互いの家を行き来して、半同棲みたいな感じになっていました。
ダーとは、基本的には仲良く過ごしていましたが、いざケンカが始まると、互いに容赦なく言い合い、疲れ果てるまで口論が続きました。
当時は《なんで私の言ってることがわかんないの?》と、毎回思いましたし、ダーにも同じことを言われていた気がします。
お互い若かった、と言えばそれまでですが、どちらも本当に譲らなかった。
【絶対に自分が正しい】と。
後にも先にも、ここまで自分の正しさを主張した相手は、他にいませんでした。
そこまで自分の意見が正しいといえる理由や自信、一体どこにあったのか…
私、なぜか、ダーにはものすごい対抗意識を燃やしていたんです。
さて、私が一人暮らしを始めた翌年、ダーも異動で少し離れた町に引越しましたが、引越先は車で片道1時間半ほどだったので、通い婚状態は変わらず…
そんな生活が2年近く続いたある日のこと、ダーの身に、ちょっとした異変が起きました。
なぜか突然、片耳だけが全く聞こえなくなったというのです。
病院に行ったら、突発性難聴との診断で、その日から1週間ほど、ダーは隣町の病院に入院しました。
病院には、仕事帰りにほぼ毎日通いましたが、その帰り道がつらかったのを覚えています。
ユーロビートを大音量でかけながら、涙を振り切るようにぶっ飛ばした夜の国道。
よく事故らず、そして捕まらなかったものです。
ネットで調べたら、突発性難聴の原因にはいろいろあり、原因不明なことも多いけれど、ストレスが大敵だと。
ダーの仕事場は田舎町だし、一緒だった人を考えても、仕事でストレスなんて溜まるわけない。
…だとしたら、もしかして、私のせい?
ダーとの付き合いを振り返り、日頃のわがままな自分の言動を反省した私。
退院後しばらくは、とにかくケンカは避けようと、今まではすぐ口にしていた不満を何とか飲み込むことを心がけました。
ただ、そんな心がけも、この数ヶ月後に起こったある事件により、脆く崩れ去りました…
〜第27話につづく〜