にこにこプッキーの台湾・中国語ブログ

にこにこプッキーの台湾・中国語ブログ

台湾、台北に駐在して9年7か月、そして日本に戻ってきました。中国語は、相変わらず、頑張って勉強してます。台湾生活&中国語学習ブログ。理系オヤジが理屈っぽく、うんちくを語ります。
このブログは、中文を表示する関係で、UNICODE対応のブラウザでないと文字化けします

理系人間が、理屈で覚えた中国語、そして台湾生活。
そんな内容を紹介していきます。
お約束:一応、“”で囲われた部分は中文、()は拼音、
「」は日本語で統一しています。
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 今年の正月はのんびり過ごしてます。休み中のトラブルもなく、食っちゃ寝。
 時間があるので、普段はできないことをやってみました。
 ま、市販の冷凍パイ生地利用だけど、アップルパイを作ってみました。生地から作ろうとすると、それだけで丸1日以上かかるので、今回は手抜き。
 でも、超久しぶりに作ったにしては、割とうまくできた。中味の煮りんごを作るのに1時間半くらい。生地を成型して焼き上げるまで1時間半くらい。これくらいでできる。
 今晩の晩御飯は、夕べ仕込んでおいたサーモンのマリネで一杯やるつもり。今年は正月から、他にも色々作ったし、食い物に困らない一年になりそう。
 今回のタイトル、日本語ですが、読めました?
 私は読めませんでした。
 さて、ネタとして、しばらく楽しめそうなホームズさん。何しろ1ページ読む間に何度も辞書を引くので、全然進まない。

 今回のネタはタイトルの通り、「胼胝:タコ」です。タコと言っても、海にいるタコではなく、手や足にできる、いわゆるタコです。
 ご想像の通り、これは熟字訓で、正しい音読みは「べんち」。この漢字、中文でもタコの意味なのですが、日本語でも「タコ」と言う俗称がある様に、中文でも俗称の方を普段は使うみたい。
 その俗称が“老繭(lao3jian3)”、なんと「繭まゆ」なのですよ。ちなみに、この小説の中では“長繭”を使っていました。繭、単独ではなく、もう一字、意味を持たない漢字を付けて二文字にするのは中国語あるあるですね。
 似ているものに「魚の目ウオノメ」がありますが、こちらは中文では“雞眼(ji1yan3)”、さかなではなくニワトリなのです。
 で、ついで。タコと言えばセットで出てくるのがイボ。こちらは日本語でも中国語でも、漢字は同じで“疣”、中文の発音はyou2。ま、これは部首のやまいだれの中を見れば、何となく察しがつきました。でも、この漢字も「イボ」と読むとは、調べるまで知らなかったよ。
 さてさて、こんな細かいところに引っかかっているから、全然、小説が読み進まない。読み終えるのはいつになることやら。
 今週は夏休みです。昨日まで、日頃、ご無沙汰している嫁さんの実家に行ってました。お義父さん、お義母さんにご挨拶。まあ、ちょっとだけというか、私が出来ることでお手伝い、朝昼晩のご飯を作るということをしてきました。まぁ、それ以外の時間は、殆どゴロゴロしていたのですが。
 さて、今日のネタもホームズさんからです。まだまだ第一話をぽちぽちと読んでいるのですが、なかなか進まんなぁ。
 今回、私が引っかかったのは“令尊(ling4zun1)”「(相手の)お父様」と言う表現。敬語が無いと言われる中国語ですが、ちゃんとあるんですよ。書き言葉に近いのですが、使うべき時には使うべき。今回は、相手のお父様が亡くなった後の会話で、故人を話題に出しての会話で使われています。
 この表現、日本でもちゃんと使われていた表現でした。ちゃんと辞書に載っていた。反対語は“令堂(ling4tang2)”「(相手の)お母様」。こういう表現、本とか読まないと、今では見かけなくなっちゃったねぇ。
 ところで、これは相手の父母に対して使う表現ですが、自分の父母に対して、尊敬を込めて言う場合は何て言うんだろうと調べたら、“巖父(yan2fu4)”、“慈母(ci2mu3)”でした。なるほど!いい表現だねぇ。
 こう言う表現をさらっと使えるくらいの中国語レベルになりたいもんだ。
 ようやっと夏休みになって、少し気持ちに余裕が出てきているので、連続更新です。
 先日に続いて、今日のネタもホームズさんから。
 この作品、主人公のホームズさんの所が骨董屋さんで、ホームズさんも骨董品の鑑定をするので、直々、「本物」「偽物」という言葉が出てきます。この「偽物」、美術品に対しては「贋作がんさく」と呼びますよね。この言葉の中文は何でしょうか?
 この贋作に当たる中文は、“贗品(yan4pin3)”、日本語の「贋作」の「贋」の字は、この“贗”の異体字です。元々の音を表す、 “鴈”は、鳥の雁(かり、ガン)で、異体字として“雁”“鳫”があるので、それに意味を表す貝を付けた漢字もと複数あります。
 ところがところが。この本の中で「贋作」を表す表現として使われていたのは、“膺品(ying1pin3)”
 ん?!字が違う?誤植なの?形がよく似ているけど、よく見ると違う字。発音も違うし。
 調べてみると、この“膺品”の記述も辞書には「偽物」の意味で載っていました。でも、元々の“膺”の意味は「胸」のこと、部首として肉月にくづきが使われていることから、体に関係がある漢字であることは確かなのですが、何でこれが「偽物」になったの?
 調べてみると、どうも形が似ている漢字の誤記が定着してしまったみたいです。つまり“膺”は「偽物」の偽物と言う訳です。
 今ではパソコンの文字入力でも、贗,膺のどちらを入力しても、次の文字の予測入力で品の字が出てくる。この手の誤記が定着してしまうのはよくあることなのですが、せめて出版社が出す本くらいは正しい漢字を使って欲しいと思うのですが。

 中国語を学習している人だと自明なのですが、音読みが同じだと、中国語(北京語)の発音も同じ、もしくは似ている音になることが多いです。ま、音読み自体が元々は中国語ですからね。今回の贋ガンも、岩ガン、顔ガン、願ガン、癌ガン、眼ガンなどは全部、北京語の発音はyanですからね。なので、知らない漢字の中国語読みも、慣れてくると何となく想像がついてくるもんです。でも、それをいい加減に読んでいると、どっかで誤って覚えるかも?やはり辞書をこまめに引くのは大事だと思う、今日この頃。
※声調表示に誤記があったので修正しました(2018.8.22)
 前回の更新から、はるかはるかに、日数が経ってしまいました。もう半年。でも、知らんぷりで更新します。このブログはそんなもんさ。
 実は先週、久しぶりに台湾へ出張でした。例によって慌ただしい出張で、同行者もいたのでろくに自由時間も取れず。
 それでもなんとか本屋に寄ることができたので、やっとの思いで手に入れたのがこれ。

「京都寺町三条のホームズ」
「京都寺町三条商店街的福爾摩斯」
 最近、TVアニメも始まったライトノベル系推理小説。台湾では、まだ1巻が出ただけで、2巻はこの8月末発売だそうな。まぁ、買えてよかった。これで、しばらくぶりのネタが手に入った。
 さて、この小説、舞台が京都だけに、色々な京言葉が出てきます。これをどのように中文に翻訳してあるのかが、とても興味があります。
 まずは出だしのキャラクター紹介です。主人公の「ホームズさん」こと家頭清貴さん、その説明では、
“22歲,就讀京都大學研究所1年級,綽號『福爾摩斯』,京都三条河原町商店街的『藏』古董店老闆之孫。待人謙和有禮,但敏銳過人。偶爾會捉弄人,是個『壞心眼』的京都男人。”
 さて、分かりましたか?
 まずはさっそく出てきた“壞心眼”「いけず」から見ていきましょう。この京言葉の「いけず」の深い意味は、京都人ではない私には残念ながら分かりません。とりあえず、ここでは「ちょっと意地悪」くらいの意味に捉えておきましょう。これを中文に訳すにあたって、“壞心眼”を使っています。“心眼”もしくはr化して“心眼兒”は「性根、心根、底意地」、「眼」が入っていますが眼の意味は無いようです(中国語あるある、ですね)。それが“壞”「悪い」のですから、「性根が悪い、底意地が悪い、意地悪である」となっています。うーん、まぁそれなりには合っていますが・・・。こう、概念自体が存在しない言葉を単純な1対1の単語に翻訳するのは難しいなぁ。

あと、この短い文の中で、私が引っかかった単語や表現は、
“綽號(chuo4hao4)”:「あだ名」
“暱稱(ni4cheng1)”との意味の違いや使い分けはどんな感じなんだろう?
“待人謙(dai4ren2qian1)”:「人当たりがいい」
この場合の“待”は「接待する」の「待」、人をあしらうと言う意味。“待人”がまさに「人に接する」で、それが“謙”「つつましい」だと言う。すなわち人当たりが良いということ。
(“待”の持つもう一つの意味の「待つ」、それと同じような意味の“等(deng3)”、“侯(hou3)”との違いの研究は、またいつか)。
“捉弄人(zhuo1nong4ren2)”:「人をからかう」
“捉”の持つ意味は「捉える、とらえる」、“弄”は「いじる」、こんな漢字が持つ本来の意味が分かると、なんとなく意味が掴める。漢字って素晴らしい!
ちなみに“弄”+(どちらかと言えば悪い意味の)形容詞で、「(そう言う悪い状態に)してしまう」という意味になることは理解しておいた方がいい。例えば“弄壞了”「壊してしまった」(“壞”「壊れている」という悪い状態にしてしまった)、“弄丟了”「捨ててしまった」(“丟”「うち捨てられている」という悪い状態にしてしまった)など。

 ところで、タイトルの“三条”、意味を正確に訳すなら、本当なら“條”の字を使うべきだと思うんだけど、どうでしょう?地名だから、そのままにしたのかな?

この本のネタ、当分続きます。