一個のパンを買うことから始まる素敵な物語 | ぷかぷか日記

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国産小麦、天然酵母のパン屋「カフェベーカリーぷかぷか」のスタッフによる元気日記

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 「ぷかぷか」のホームページのトップにこんなことを書いています。

「カフェベーカリーぷかぷか」では、障がいのある方達が働いています。
彼らと一緒に生きていきたいと思い、お店を立ち上げました。
一緒に働いていると、心がなごみます。
楽しいです。
元気になります。
お店をやり始めてから、彼らとはやっぱり一緒に生きていった方がいいな
って素直に思えるようになりました。
そういった思いを地域の人たちとも共有できたら、と思っています。
そうして、たくさんの人たちが
「彼らとはいっしょに生きていった方がいいね」
って、素直に思えるようになったら、
お互いが、もっと生きやすい地域社会が実現するように思うのです。

 パン屋に入ると、コンノさんは、いきなり厨房から出てきて「お名前は?」「兄弟いますか?」「お兄さんですか?お姉さんですか?」「お父さんはネクタイしていますか?」と矢継ぎ早に聞いて来ます。初めての方はどぎまぎしてしまうのですが、コンノさんの言葉は不思議とそのどぎまぎした心をほぐし、心をあたたかいもので満たしてくれます。機関銃のように次から次に飛び出す質問に答えているうちに、コンノさんとのやりとりがだんだん楽しくなってきて、パンを買いに来たことも忘れるほどです。
 
 パンを買いに来たついでに、ぷかぷかで働く障がいのある人たちと、こんな素敵な出会いをしてほしいと思っています。心がぽっとあたたかくなるような出会いを重ねる中で、彼らとは一緒に生きていった方がいいね、って思ってくれる人が少しずつ増えてくれれば、と思っています。

 そうしてたくさんの人たちがそんなふうに思ってくれるようになったら、障がいのある人たちだけでなく、お互いがもっと生きやすい方向へ、地域社会が少しずつ変わりはじめるのではないかと思うのです。

 障がいのある人たちの社会的生きにくさは、彼ら自身の問題と言うより、私たちの彼らを見る「まなざし」の問題だろうと思います。こんな人たちはいやだな、とか、うるさいとか、どこかほかのところへ行ってほしい、と思う私たちの「まなざし」は、そのまま彼らの生きにくさにつながります。

 その「まなざし」に「一緒に生きていこうよ」という思いが宿るなら、彼らの生きにくさは大幅に改善されます。社会的弱者である彼らが生きやすくなる社会は、誰にとっても生きやすい社会だろうと思います。

 そういったことが一個のパンを買うことで始まるとすれば、なんだか素敵な物語だなと思うのです。

 パンを買いに来たつもりが、ふと気がつくと、帰りに心がちょっとだけあたたかくなっているような、そんなパン屋を目指しています。おいしいパンといっしょに、何か心あたたまるものをお持ち帰りください。そして一個のパンから始まる物語の続きをぜひ作ってみて下さい。