トイプードル リッピとニンゲン マメオと暮らす -5ページ目

Activities of real around 40 vol.2

Activities of real around 40 vol.1

左岸

左岸/江國 香織


読了。


旅に出るとき、空港の本屋で必ず本を2~3冊買って飛行機に乗ることにしている。

旅のお供の本を選ぶのに、毎回すごく時間がかかる。

へたすると30分くらいかかるかも。

せっかくの旅を台無しにしないような本がよいと思うと、

本選びに力が入る。

重すぎてもダメだし、軽すぎてもダメだし。

ほどよく面白くて、さくさく読み進められるものがよい。


マメオと一緒の旅行では読めたためしないのだけど、

それでも選ばずにはいられない。


今回の搭乗前の本屋滞在時間およそ5分。

私にしてはとってもスムーズ。

江國 香織なら無条件で手にとってしまう。

平積みされてた『左岸』の単行本を上下セットでお買い上げ。


例によって旅の最中は1ページも開かれることなく一緒に旅してきた本を

つい先日開いてみた。

開いてみたと同時に一気に読み終えた。

少しずつ味わおうと思って上巻はちょっともったいぶってみたけれど、

下巻は息もつけないくらいのスピードで読みきった。


これは・・・

(こんな一気に読み終えておいてなんだけど)

なんというか、しかし読み進めるのが辛かった。

自分の中の静かだけど、確かな抑揚の起伏に疲れてしまったのは、

シンクロしすぎてしまうせいだと思う。

主人公と私とはもちろん全く似ても似つかず、

年齢も育ち方も考え方も全くもって共通点もないし、

特に共鳴するようなこともないのだけど、

流れる空気感が妙に理解できてしまうのはなぜなのか。

たぶん私と作品の共通点は「喪失感」。

そしておそらくテーマであろう「諸行無常」な世界観。


どんな内容か確かめもせずに手に取ったものだけど、

これは旅行中に読まなくて本当によかった。


ちなみにこちらと対になる『右岸』は辻 仁成 作。

読みたいような読みたくないような・・・

でも、きっと読んでしまうにちがいない。