自分をさらけ出せる人とは、
相手の懐に入り込み、共感を得ることができる人だ。
僕は、自分を知ってもらいたいときには、なぜ仕事とは別で投資という事しているのかを話すことにしている。そこに、過去から現在につながる僕の物語が凝縮されているからだ。
過去のブログに書いていますが再度こちらに書かせて頂きます。
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僕が20代で事業失敗による数億の借金をしている時に、一か八かの賭けで、渡米したことがあります。
それはアメリカに僕の友人が事業をしており、状況次第では融資してくれるという話があったからです。
僕はその友人とはもう5年くらいは会ってませんでしたが、よく昔は一緒にバカをした仲間です。
そして色々な面で僕のライバルでもありました。
その彼は大学を卒業して直ぐに渡米し、向こうで事業を起こし成功しているという話を聞き、久しぶりに連絡をしたのです。
昔話に花が咲き、会話の流れの中で僕の事業のことや借金のことを話しました。
そしたら彼は、少し躊躇った後、何か思いついたように
「そうか。。分かった。俺は日本に帰れないけど、もしお前がこっちに来るなら、色々と詳細をもう少し聞かせて貰って、俺が金を工面してやってもいい。いくら必要だ?1億か?」と。
皆さん、ここで僕は彼から1億を貸して貰えたと思いますか?
いいえ違います。彼からお金を借りて1億を作った訳じゃありません。
その話の後ほど。
正直、もう5年以上も会ってませんし、昔の二人でバカをやっていた頃よりもお互いが大人になり、色々と変化もあったと思います。
なので会話の節々に僕に対する優越のようなものを彼から感じましたので、少し嫌な感覚もありました。
なので僕も直ぐにアメリカへ行く気にはなれなかったので、少し検討しようと思ったのですが、僕もそんな意地などは捨てないといけない状況でしたので、恥を忍んで友人からの融資を得るために直ぐに渡米しました。
僕は本当にお金がなかったので、日本円にして数万円を必死で握り締めてロスへ行きました。
当然、彼は僕の昔の友人ですから、お金を貸して貰えるつもりで行きました。
でもそこに待っていたのは、昔の面影もない、目つきが金の亡者になった彼でした。
彼は言いました。
「お前、随分と落ちぶれたな。そんな甘い考えで事業なんてやるからだよ。お前は昔から優しくて、頭も良くて男にも女にも好かれたよな。スポーツも万能で、人もよくお前の周りに集まった。俺はいつもお前に劣等感を頂いていたよ。。だから俺は必死で勉強して、単身渡米して今の立場を築いた。そんなお前が今の俺に助けを求めるなんて皮肉なもんだよ。。で、いくら必要なんだ?」と。
僕は、彼が明らかに変わったので、それを何故かと問いただすことよりも、それで彼の機嫌を損ねて融資されないことを恐れたので、彼の嫌味は全て受け流し、言いました。
「実は来月までに1億はないと危険な状態になる。。でも、数ヵ月後に返せる目処があるから、それまでに1億は返す!」と言いました。
すると彼は言いました。
「たった1億でいいのか?3億くらいなら出してもいいよ?でも、お金を貸すのはつまらないし、そうだな、お前、俺の会社の傘下に入れよ?実質的には俺の部下みたいなものになるけど、投資という形で俺に権限を譲渡すれば、お前も少しは安泰だろ?」と。
僕はこの時に彼の魂胆が全て分かりました。
その時、僕はその事業に関してのノウハウを完全に持っており、実際問題今もその事業は順調で上り続けている事業なのですが、当時、彼はこの事業の根幹に目をつけて、僕から奪い取ろうとしていたのだと思います。
僕もお金があればこの事業が数年後に必ず大きなものになる事を確信していたので、彼にお金を投資という形で受けると、実質的に、金額的にも彼に権限を持っていかれることになります。
それと彼は僕よりも上の立場になること優越感に浸りたかったのでしょう。
小さい人間だなと思いました。
僕は我に返りました。
「あぁ、人は金持ちになると変わってしまうんだ。
あの頃、一緒にバカやったあいつはもうこの世にはいないんだな。
こいつの目は弱った僕を完全に食う目をしている。
ダメだ。もう諦めよう。帰ろう」と心の中で思いました。
僕は元々、心のチャンネルの切り替えの速さは尋常ではないので、直ぐに彼に言いました。
「悪かった。どうやら俺は人違いをしたみたいだ。俺の知ってる友人は日本で別れた時に、その時点で失ったみたいだ。時間を取らせて悪かった。もう会うこともない。帰国する。」とだけ言って彼の事務所を出ました。
彼は何か言いかけてましたが、もう僕の耳には何も入ってきませんでした。
空港から彼の事務所まで向かう交通費や宿泊費、全てギリギリで渡米したので、帰りの空港に着いた時、僕のポケットに入っていたのクシャクシャになった5ドル札が2枚と1ドル札が2枚。12ドルでした。
男一人、異国の地の空港で12ドルを握って、僕は涙が止まりませんでした。
一人で泣きました。人の目なんて関係ありません。
悔し涙です。
僕はこの時、誓いました。「絶対に現状を打破してやる!」と。
帰国して、直ぐに僕に朗報が入りました。
以前から融資のお願いをしていた僕の人生の師でもある不動産関連社長から期限付きでOKを貰い、何とか1億を工面して貰いました。
それから数年経って、後から聞いたのですが、
その不動産社長は「いやね、実はあの時、帰国後に○○君(←僕の名前)と直ぐ会って、ロスであった話を聞かされた時、何だか自分が情けなくなってね。まだ20代の若さで事業をして奔走している青年の君に対し、たった1億の融資を躊躇している50代の自分が情けなくてね。君は僕の息子みたいな年齢だからね。あの時は君のお陰で目が覚めたよ。こいつになら1億くらいくれてやってもいいって思えたね。お金の使い道って、そういう風に使うべきだ、人に使うべきだって教えられたよ」と言ってくれました。
つい半年ほど前に風の噂で、ロスの友人は、事業で失敗し多額な借金を背負い、麻薬漬けの毎日で心不全のため亡くなったと聞きました。
僕の中で「あぁ、やっぱりか。」と思う気持ちと「人生とはなんて非情なんだろうか・・・」とも思いました。
お墓参りには未だ行ってませんが、近いうちに行こうと思ってます。
僕が握り締めた悔し涙の12ドルは、僕に1億というお金を引き出してくれました。
今もこの12ドルは肌身離さず、負けない自分への訓戒として僕の財布の中に入ってます。
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この出来事が僕の人生を決めたと思っています。
僕がこのような話をすると、相手が「じつは俺が社長になったのも、リストラがきっかけだったんだ」などと自分のことを話してくれることがある。
こちらが本音で話せば、相手も本音で返してくれる。
こちらが失敗や挫折した過去を話すことによって、相手も苦労話を披露してくれることがある。それによって、相手をより深く知ることができるようになる。
ところが、なかなか自分をさらけ出すことができない人もいる。
学歴の低さを隠したがる人も多い。だが、僕は会社ではエリートになれない学歴だからこそ、結果だけにこだわり実績で全国一になろうと決めた。そして、その話をすると、たいていの経営者は「おもしろいね」と興味をもってくれた。
どんな経歴も過去も、現在の自分を形づくる一部である。恥ずかしがったり、隠さなければならないと考えたりする必要はない。むしろ自分が隠したいと思う過去や体験のなかにこそ、自分を知ってもらうためのエピソードが潜んでいる。
あなたが相手の心を開きたいと思えば、まず自分をさらけ出すことだ。
【お金を生み出す黄金則】
自分をよく見せたいという気持ちを捨てることで、相手の心を開く。
あなたはこの法則を実践できていますか??