「使いやすいホームページ;50企業」ジェイコブ・ニールセン(2002年) | しんりの手 :psych NOTe

「使いやすいホームページ;50企業」ジェイコブ・ニールセン(2002年)

ウェブ・デザインのお勧めの本。
Jakob Nielsen, Marie Tahir (こちらは英語版。2002年)
Homepage Usability: 50 Websites Deconstructed
(日本語版)
ヤコブ ニールセン, Jakob Nielsen, Malie Tahir, 風工舎
ホームページ・ユーザビリティ ~顧客をつかむ勝ち組サイト32の決定的法則

この本はウェブ・デザインの世界ではかなり有名。


ウェブ・デザインは心理学でもとても大きな分野になってきている。それも当然で、ウェブを訪れた人が何を最初に見て何を理解するかというのは思いっきり認知心理学ヤ知覚心理学の分野だ。それに何を感じるか、などは社会心理学や性格心理学も大きく関わってくる。そんな学術的な話は全くこの本には出てこないけれど、でもこの本は実際にウェブをどうすれば見やすくできるかということに集中して書かれているのでとても使い勝手がよい。


まず本の冒頭には100ほどのガイドラインが載っている。この大原則に従ってウェブを改良すれば確実にウェブは見やすくなる。

例えば原則その1.会社のロゴや名前をはっきりと示せ。

あっ、ちなみにこの本は会社のホームページを見やすくするのが目的なんで、個人向けやブログでは違う場面があるかも。


この本の次の章は推薦事項。例えばダウンロードの時間はとても重要な要素なので一般回線で10秒以内、50キロバイト以内が良い。などが書かれている。繰り返すけどこれは(大)企業のホームページ向け。大抵のブログは存在を認知されていないので、検索エンジンに引っ掛かりやすいように一ページが重くなってでも関連する単語を詰め込む方が僕は良いと思っている。ま、単語は重さにはほとんど影響を与えないかもしれないけれど。


この本のメインの内容は大企業の実際のホームページなどの分析だ。例えばアマゾン(amazon.com)。

amazoncom

この本によると、アマゾンのホームページの評価はとても高い。それでも細かい点でいくつも改良できる点はある、というかあった。この本で指摘されている点(2002年時)を今見てみると、ほとんどが改良されている(2005年)。例えば上図の①の「ユアー・アカウント」はここだけ違う字体になっていた。それは意味が無いよ、という指摘だったんだけれど直っている。②の「カート」は昔は「カート見る(view cart)」で、言葉の改良が必要だと指摘されていた。それも、まぁ、改善されている。③の「ヘルプ」が右上にあるのはとても良い、と評価されている。まぁ、そんなことがこの本ではこのホームページについて27箇所の指摘を挙げていて、計50ほどの企業のホームページの分析が行われている。


企業のホームページをデザインする人にはかなりお勧めの本です。


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