(前回の関連記事は「高藤聡一郎氏との違い 」です。)
神の誕生
願望実現法をいくつもゴッチャにして行った結果、状況が悪くなる
一方の人に、
「宗教の本質は、異なる宗教の神々の間で起きる闘争だ。」
「ゴチャゴチャいろいろなところと繋がっているから、波動が
おかしくなって何やってダメになってるんだよ。」
と話をすると、
「いえ、宗教を問わず神様は崇高な存在ですから、神様同士が怒って
争うなんてことがあるわけがありません。」
「潜在意識を通して神様がいるアストラル界にプラスのメッセージを
送り込めば、それが現実化して願いが叶うはずです。」
と判を押したように答えます。
わたしから見ると、彼らの考え方は部分的には正しいです。
その話をする前に、まずここでいう「神とは何か?」について
説明します。
例えば、
遥か昔、古代人が空を見上げると太陽があった。
彼らの感覚では太陽が昇ると空が明るくなり暖かさを感じ、
地平線に沈むと辺りが暗く寒くなる。
すると太陽がこの世の全てを支配しているような気がしてくる。
結果、「太陽=神」という太陽神信仰が生じてくる。
そして、太陽神にさまざまな意味付を始めます。
例えば、
インカ帝国の「インティ」
インティ(Inti)は、インカ帝国の伝説上の太陽神。
太陽と虹の神ともいわれる。
インカ帝国を興したケチュア族の人々は、太陽の神を天の序列の
第一位に置き、インティという名前で神聖視した。
この神は、世界創造の基礎となる3要素(水・土・火)を統べる
絶対権力であるとされている。
彼は天の階級の一つの「月」であるママ・キジャ(Mama Quilla)を
妻とした。
ギリシャ神話の「アポロン神」
ヘレネス(ギリシャ)神話の太陽神。 ゼウスとレトの子。
双子の妹(姉)に月の女神アルテミスがいる。
ポイボス(輝くもの)・アポロン、楽人の王、神託の王、黄金の弓の支配者、
と多くの名前で呼ばれる。
ギリシアの人々の理想に最も近く、永遠の若さを持ち、戦いに強く、
暖かい心と冷静な頭脳の持ち主。
ヘリオス(太陽)とも呼ばれるようだが、アポロンの方が星としての太陽を
超えた存在、イメージのようだ。
またアポロンの異名で、医神としてパイエーオーンと呼ばれることもあった。
神々が傷ついた時、治療する神 であるとホメロスがいっている。
日本神話に登場する「天照大神」
天照大神(あまてらす・おおみかみ)は日本の神様の中で最高神の地位を
占める神様で、太陽の神であり、高天原(たかまがはら)の主宰神。
古来より男性神説と女性神説とがありましたが近年は女性神説が有力です。
また弟の乱暴に怒って天岩戸(あまのいわと)に閉じ篭ってしまうという
エピソードも女性的。
上記のように、古代人は太陽という自然界に存在するエネルギーに
長い年月をかけて性別や姿、形を与え、意味付けをしてきたわけです。
それを何十、何百という世代に渡って延々と続けてきました。
これは延べにすると膨大な人数になります。
例えば日本の人口は
古事記が編纂された8世紀頃 450万人
平安時代 800年 550万人
鎌倉時代 1200年 700万人
安土・桃山時代 1600年 1200万人
江戸時代 1650年 1750万人
1830年 3200万人
明治時代 1900年 4300万人
大正時代 1920年 5500万人
昭和時代 1940年 7000万人
1980年 1億1000万人
平成 2010年 1億2000万人
と増大し続けています。
ちなみに有史以来、地球に生まれた人間の総数は
一説では1080億人だそうです。
その中での日本の割合を少なめに1%程度と見ても、
有史以来、日本には10億人以上の人間が誕生した
わけです。
そして、10億人以上の日本人たちは数千年の時間をかけて、
心理学者C・G・ユングのいう民族固有の意識=「集合的意識」
を形成しました。
「集合的無意識(Collective unconscious)」
言語連想試験の研究によってコンプレックスの概念を見出した
ユングは、個人のコンプレックスより更に深い無意識の領域に、
個人を越えた、集団や民族、人類の心に普遍的に存在すると
考えられる先天的な元型の作用力動を見出した。
元型の作用と、その結果として個人の夢や空想に現れる
ある種の典型的なイメージは、様々な時代や民族の神話にも
共通して存在し、
このため、元型や元型が存在すると仮定される領域は、民族や
人類に共通する古態的(アルカイク)な無意識と考えられ、この故に、
ユングはこの無意識領域を「集合的無意識」と名づけた。
人間の行動や思考・判断は、自我と外的世界との相互作用で決まって
来る面があるが、他方、集合的無意識に存在するとされる諸元型の
力動作用にも影響される面がある。
この「集合的無意識」は現代風に解釈すれば、インターネットの普及
により形成された「電脳世界」みたいなものでしょう。
このインターネットの成立過程もなかなか興味深くて、
インターネットの誕生のきっかけとなったのが、1957年10月4日の
旧ソビエト連邦による人類初の人工衛星「スプートニク1号」の
打ち上げ成功が西側諸国に衝撃を与えたスプートニク・ショック。
この件が核ミサイル攻撃を可能にする技術力を示唆するものとして、
米国は科学技術の強化にARPA(米国防総省高等研究計画局)
を設立。
ARPAは「核攻撃でたとえ一部が壊滅的な打撃を受けたとしても、
生き残ることのできるコンピュータシステム」の開発に着手。
その研究の中から「一部が破壊されてもそれ以外は動き続けることの
できる分散型のネットワークシステム」という、今日のインターネットへ
つながるアイデアが生み出される。
そして1969年、このプロジェクトの一環として、距離を隔てた米国内4ヵ所の
大学、研究所の4台のコンピュータを実際に結ぶことに成功、これが
インターネットの始まりと言われている。
1990年のドイツ統一、ソ連共産党一党独裁放棄による冷戦終結により
商業目的のプロバイダによるインターネット・サービスが解放される。
このように軍事・政治に関連してネットの爆発的普及が始まったわけです。
試算によれば、1993年時点での双方向電気通信でやり取りされた情報の
総量のうち、インターネットを使ったものは1%にすぎなかった。
2000年にはそれが51%に成長し、2007年には97%以上の情報が
インターネット経由でやり取りされている
これに関連して携帯(スマホ)、ノートPC、タブレットなどの通信機器が急激に
進化し、それに伴いろくに本を読んだり、自分でモノを考えることもしないで、
朝から晩までスマホやPCでゲームやLINEばかりしている人間が蔓延する
世の中になってしまったわけです。
これはわたしから見ると、人間の意識がネット上に形成された電脳世界に
吸収されているように感じます。
そう考えると、ネットの情報を通じて人間の意識や生活を支配できる
位置にいる存在こそが神であり、よく言われる
「Googleは現代の神だ。」
という言葉もあながち嘘ではないのでしょう。
そして、この現代の神が生まれるきっかけは軍事だったんですね。
古代人は、現代人のようにスマホやノートPCは持っていませんでしたが、
代わりに「信仰=神」を媒介にすることによって、長い時間をかけて
民族の集合意識というネットワークを形作ってきました。
日本人について言えば神道がネットワーク構築の基礎だったのでしょう。
もちろん、時代によって日本人の民族意識、天照大神への信仰の強さ、
形態は違っていたのでしょうが、少なくとも延べ10億人以上の日本人が、
1000年以上の期間にわたって、
「天照大神=太陽神」
という意味付けを繰り返してきたわけです。
これは波動の見地から見れば、
延べ10億人の日本人が1000年以上の時間をかけて、
自らの意識エネルギーを
「天照大神=太陽神」
に注ぎ込んできた。
と言い替えられます。
その結果、
天照大神は本物の神として実在するようになったわけです。
※次回の記事更新日は11月1日になります。