正直、今さら「Rez」が凄いとか語ること自体が恥ずかしいぐらいに、多くの人達が評価をしているし、語り尽くされた感のある作品だよね。

 

ただね、PSVR購入前にローンチソフトのPVで初めて「Rez」を見た時は、誰がこんなもんやるの?って思ったもんよ(笑)

 

その考えが変わったのは、プレキャスという番組でエリアXの存在を知った時だね。漠然とではあるけれど、なにかとんでもないことが起ころうとしているのを強く感じたね。

 

そして実際に体験したそれは…

 

因みに、当時の感想はこちら。

 

・水口氏が泣いた。俺も泣いた。「Rez」Area X

 

 

概要

 

購入先:国内ストア

ジャンル:体感型リズムシューティング

言語:日本語

コントローラー:デュアルショック&Move対応(Move対応はエリアXのみ)

視点:三人称視点(特定モードで一人称視点)

移動方式:オートスクロール&360度自由移動

 

 

--シナスタジア-----------------------------

 

始めに「Rez」というゲームの内容について書いておくね。

 

ジャンルとしては一応シューティングに分類されるゲームで、オートスクロールするステージ(エリアXは除く)で敵をロックオンして撃墜しながら進んでいく流れだね。

 

敵のロックオンは、基本ヘッドエイミングで行うんだけど、スティックを使うことも出来る。ただ、ゲーム内のアバターが空中を泳ぐような前傾姿勢になっていることが多いし、頭を動かす動作によって没入感が高まるから、個人的にはヘッドエイミングの方が断然お薦め

 

んで、ここまではよくあるシューティングゲームだと思うんだけど、「Rez」のイカしてる部分はフレーム剥き出しの線画のような世界を縦横無尽にカメラが動き回って、全方向から出現する敵をまとめてガンガン撃墜していくスリリングさと遊びやすさにあると思うのよ。

 

シューティングゲーム未経験者でも、エイミングが下手な人でも、すぐにゲームをプレイする快楽を得ることが出来るのはとても魅力的。

 

(ノーマルレベルの場合、ゲームとしての難易度は高くない)

 

(線画の中に現れる有機的な映像がアクセントに。ドラマ性を引き立てる)

 

そして何と言っても映像と音の見事なシンクロ。これが「Rez」の最大の特徴と言ってもいいだろうね。

 

技術的な事はわからないんだけど、敵にショットが命中するタイミングがバックビートにシンクロするようにクオンタイズされている気がするね。シューティングゲームにも関わらず、楽器を演奏しているような不思議な感覚。

 

映像、音、プレイヤーの動き、これらが一体となる気持ち良さ(水口氏はシナスタジアと表現していたね)こそが、「Rez」の魅力でありオリジナリティーだね。

 

だから、「Rez」には元より体感するという意味でのVRへの適性が備わっていたんだろうね。表現として実に理想的。

 

 

 

--エリア1~5-----------------------------

 

エリアXばかりが語られがちな「Rez」なんだけど、エリア1~5までの圧倒的なライド感はVR体験としてもかなり異質。

 

エリア1はチュートリアルの意味も込められていて、やや地味な構成になってはいるんだけど、それ以降のエリアはどれも見所があってお薦め。

 
その中でも、個人的に特に強烈だと感じるのがエリア4とエリア5だね。この2つのエリアは共に映像のスリリングさが異常で、まるで電脳世界をサーフィンしているかのようなスピード感と心地よさが見事に同居している。
 
既に幾度となくプレイしているんだけど、未だに映像の世界に引っ張られているような不思議な感覚に陥ってしまうね。
 
(ワープの瞬間の引き込まれる感覚は強烈!!)
 
そうだ、「Rez」を語る上でこれも書いておきたい。
 
「Rez」のエリア1~5までは、本来ならVR酔いに陥りやすい激しいカメラの動きがあるにも関わらず、VR酔いを訴えるネットでの書き込みをあまり見たことが無いのよ。
 
これは、トライ&エラーを繰り返して、カメラの挙動や、0.5秒以下の微細な時間のチューニングを行った結果生まれた、酔いとスリリングさのギリギリのラインなんだろうね。
 
(カメラは頻繁に動く。にも関わらず酔いづらいという不思議)
 
 
 
--エリアX--------------------------------
 
究極のVR体験の一つとして、最早"信者"と呼べるような熱狂的なファンを生み出してしまった「Rez」なんだけど、それを決定づけたのはやっぱりこのエリアXの存在だろうね。
 
おそらく人類初となる"泣けるVRゲーム"であり、VR黎明期の今の段階でここまで壮大な物語をやる?と感じてしまうほどのスケール感を有した、後世に語り継がれる体験だと思っている。
 
 
んで、このエリアXを語る上でどうしても書いておきたいのが、暗闇に散る光のパーティクルとVRとの相性を知らしめた功績だよね。
 
まだまだ画質の面で問題を抱えているVRなんだけど、革の質感表現やネオンカラーなんかは栄える映像として成立していて、実際に多くの作品に使われているのよ。
 
そして、エリアXに全面フューチャーされた光のパーティクルを使った映像も、今後模倣されて常套手段として定着するだろうね。
 
(花火の中を泳いでいるような美しい世界。感動的)
 
そうそう、楽曲の良さについても書いておきたいね。
 
特にラストの"アレ"が姿を現した瞬間に、それまでインストだった楽曲についに歌が入るわけじゃん?その演出自体は既にゲームの世界でもよく使われているものなんだけど(俺は『里見の謎』を思い出した)、「Rez」はより音楽に特化した作品だから効果もデカいのよ。
 
さらに言えば、物語とのシンクロだよね。まさに産声とも呼べる形で人間の生の声がついに現れたその瞬間にもう号泣ドーン!!ですよ。
 
(長い旅路の果に待つものは…?)
 
そんな素晴らしいエリアXなんだけど、個人的にはラストの"アレ"の画像や動画がネット上の至るところで躊躇なく貼られている事が少し残念というか…
 
いや、実を言うと、俺も過去の日記で貼った記憶がある。だから、下手なことは言えないし、その感動を少しでも多くの人と共有したくなる気持ちは超理解出来る。
 
ただ、初プレイの人には出来るだけ何も知らない状態でエリアXを体験して欲しいというのが多くの人の願いだとも思うのよ。実際公式もあの部分だけを伏せていたわけだし。
 
まぁ、散々ネタバレを書いている俺が言っても説得力は無いんだけどさ。
 
 
 
--満足度:星5★★★★★----------------------
 
VRゲームの多くがが現実世界での体験を再現することに労力を費やしている中、「Rez」はより純粋にVRの特性に向き合って…、いや、その言い方には語弊があるね。

 

「Rez」は、水口哲也というクリエイターの思い描いた世界と、VRの特性が完璧に一致したからこそ生まれた傑作であり、VRであることが目的になっていない、まさに"VRの為のゲーム"だと思う。

 

今後、PSVRがどうなっていくかはわからないけれど、「Rez」が世に出ただけでもその存在は無駄じゃなかったんじゃないかな?個人的にはそのぐらい評価している。

 

ただね、ここまで絶賛しておいて言うのもなんだけどさ、他のVRゲームを低く見るというか、「Rez」を持ち上げて他ゲームを低俗と貶すのは良くないかと…

 

以前2ちゃんで、「Rez」支持者と「ドライブクラブ」支持者が、目も当てられない罵り合いをしているのを見たからさ(笑)ああ言うのはちょっと…

 

まぁ、俺も「アンティルドーン」上げて、「ファーポイント」下げるような事を書いたから言えないんだけどね。

 

とにかく!!是非プレイして欲しい超お薦めなのは間違いないです!!みんな買ってね!!