父のこと | 魔弾の射手のブログ

父のこと

少し旧聞になって恐縮であるが,
ゴールデンウィークは本籍地のある田舎の街に言ってきた.
父も母も健在だったが,特に父が体温調節ができなくなったりして,
もう一緒に時間をすごすのもそんなにないなと実感させられた.
そんな父の,昔の口癖は(信念か),「人間なにが幸いするかわからん.」だった.
あさはかな人間のサル知恵で,いろいろ画策するが,,不幸のドン底に向かって
いるときが,幸せに向かっているかもしれないという意味らしい.
彼の実体験がそういわせている.
彼が,専門学校を卒業して会社に入ってすぐに召集された.満州の関東軍に配属.
入隊後,すぐに幹部候補生学校にはいり,将校となった.が,そこではあまり品行の
よろしくない士官だったみたいで,中国の奥地今の地震のあった地域にとばされた.
やがて,彼の原隊である精鋭の関東軍は,南方の島におくられ,輸送船ごと海のもくず.
軍隊では不遇だったが,そのおかげて命は取り留める結果になった.
やがて敗戦,それから中国の奥地からの引き上げが大変だったらしい.なにしろ
中隊全員で200名を,中国の奥地から離れ小島の日本まで.
そんな話を聞いているときに,私が思春期になったとき聞いてはいけない事を聞いてし
まった.
「おとうさん,人を殺したことある?」 あほな質問だった.戦争とは人殺しの団体戦である.
彼の答えは「ある」だった.つらい答えだろうなと,またわれながらデリカシーに欠ける
質問だったと反省.
つづく,,,